2008年12月05日発行
1062号
【1062号主張/グローバル企業の派遣切りノー/「抜本改正」でなく派遣法廃止を】
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いのちを奪う派遣大解雇
世界金融恐慌による「減益」を口実に、グローバル企業による非正規労働者大量首切りが始まっている。厚生労働省の10月調査によれば、派遣や契約社員な
どの再契約を停止した事業所は24・3%、自動車など輸出型製造業では43・6%に達している。トヨタ自動車は2千人の期間労働者を解雇、来春までに
7800人を削減するとした。日産1500人、いすゞ1400人、ホンダ270人、スズキ600人と各社とも非正規労働者の解雇を打ち出した。
しかし、この首切りには何の正当性もない。トヨタは、「減益」でも6千億円もの経常利益を見込んでおり、13兆7千億円(07年度)もの内部留保を吐き
出すこともなく簡単に首を切る。いすゞは契約期間が残っていても12月末で全員解雇。首を切られる労働者と家族の生活はどうなってもいいというのか。
09年は、製造業を支える派遣労働者の多くの派遣期間が3年を超え直接雇用義務が生じる。それを前に解雇が横行しているのだ。全国1732万人(07年)の非正規雇用労働者のいのちの問題だ。
廃止しかない派遣法
派遣労働こそグローバル資本の利益の温床だ。非正規労働者の酷使で溜め込んだ莫大な内部留保を正規雇用化に充てさせなければならない。
11月4日、政府は「労働者派遣法改正案」を衆議院に提出した。これは、社会問題となった「日雇い派遣」の原則禁止をうたいつつ、貧困を生み出す元凶の派遣労働を全体として拡大する大改悪だ。
日雇い派遣は、30日以内の短期派遣と「政令で定める業務以外」を禁止するだけ。「常用型派遣」については、これまで派遣先企業に課せられていた「直接
雇用申し込み義務」を撤廃。さらに、グループ企業内派遣会社からの派遣について80%の制限をつけ解禁し、派遣先企業による事前試験や面接採用まで許す。
正社員同様に仕事をこなし、いつでも首を切れる派遣労働者の安定的確保というグローバル資本の意を受けたものだ。
これに対し、野党は「労働者派遣法の抜本的改正」を掲げ共同法案提出に動き出した。民主党案は、業種は原則自由としたまま2か月以内の派遣禁止。共産・
社民・国民新党は、除外業務以外はすべて派遣の対象業務とした(原則自由化の)99年以前に戻すことで民主党との共同提案を追求している。
だが、この「抜本的改正」では、本質的に人身売買である派遣労働そのものに起因する無権利や差別、首切り自由の問題は解決しない。「労働者派遣法廃止」こそ貧困化からの脱却の展望である。
吉岡高裁判決の確定を
今、松下プラズマ偽装請負争議原告・吉岡力さんの大阪高裁勝利判決を確定させる意義は限りなく大きい。判決は職業安定法44条の労働者供給事業禁止規定に基づき、派遣先の松下に直接雇用の義務があると断じた。雇用の大原則は直接雇用だ。
判決確定を求める最高裁への100万署名運動を派遣法廃止と結び全国で広げよう。12月13日(大阪)・14日(東京)派遣法撤廃シンポジウム、15日“戦争と貧困をなくす”ワンデイアクション(100万署名第2次提出)を成功させよう。
(11月23日)
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