2009年11月27日発行 1110号

【派遣社員もモノ申す!山場を迎えたエネゲート・吉岡誠一裁判】

  05年9月から関西電力グループ・エネゲート社で検査業務に就いていた吉岡誠一さんが、職場の改善を申し入れたことをきっかけに契約更新拒否、雇い止めと された事件について11月9日、大阪地方裁判所で証人調べが行われた。社員としての地位確認、謝罪と損害賠償を求める吉岡さんの闘いは山場を迎えた。

6時間満杯の傍聴席

 10時から17時半近くにまで及んだ裁判に、支援者が続々と駆けつけ傍聴席を埋めた。

 証人調べでは、雇い止め正当化のための主張「業務量の減少」「削減人員選定」の不当性暴露がポイントとなった。

 会社側は「ジャストインタイム方式の採用」など効率化と余剰人員をアピールするが、午前の証人「ストップウォッチで計測」、午後の証人「報告書から集計し計測」とちぐはぐな証言からは逆に、根拠とする数値のあいまいさが強調される結果に終わった。

 人員の選定についても、吉岡さんは試用期間を問題なくクリアしてその後の契約更新にこぎつけており、以降契約内容確認書「3か月毎自動更新」の通り問題 なく4回の更新を経ていた。吉岡さんを雇い止めする一方で会社は、2名の新しい派遣社員を雇い入れた事実も浮き彫りとなる。

 また吉岡さんが照明の改善を求めていたことに関しても、わがままと印象づけようとする会社側の意図を覆した。1人目証言「照明が検査品を照らすよう配置 していた。問題なかった」に対し、吉岡さんの働いていた工場のみが暗く照明の取り換え工事の予算もおりていたことが暴露され、証人同士の一貫性のなさに裁 判所からは「(照明改善は)根拠のない要求ではない」と結論づけられる始末だ。

 最後に行われた派遣会社社員への証人調べでは、「将来『設計』をするかもしれない可能性があれば検査業務であれ専門26業種に該当する」という脱法行為を公言する証言に、原告代理人から「労働局に申告するぞ」と糾弾の声までとぶ。

 派遣先に追従する派遣会社と、不安定な身分のまま雇用し続けることを狙ったエネゲートの違法性が浮かび上がる結果となった。

「証言はパーフェクト」

 終了後の報告集会では、弁護団の谷真介弁護士が「今日の吉岡さんの証言はパーフェクト」と第一声。「会社側証人への反論で業務量減少は崩せた。強調され たスキル不足もしょせん後づけであり、原告が部署を超えて苦情処理を申し入れたことが雇い止めの原因。弾劾する音声証拠を出しさらに追及を行う」との報告 に大きな拍手が寄せられた。

 会社側弁護士の追及に対して真摯な姿勢でかわした吉岡さんが顔をほころばせる。「傍聴ありがとうございました。裁判はまだ終わってないがほっとしている。会社側の事実をねつ造した証言は一方で悲しい思い、一方で怒りが。謝罪を勝ち取るまで闘い続ける」と決意を語った。

会社へ圧力を強める時

 次回は12月1日、裁判所から和解案が示される。焦点は、就労先エネゲートの責任がどこまで認定されるか。山場を迎え、支援の会の谷文雄事務局長は「労働局申告も必要と痛感。違法行為をぜひ追及したい」と決意を語る。

 吉岡さんらは背景資本・関西電力の責任を追及する抗議ハガキに取り組み始めている。使い捨てに苦しむ全国1700万非正規労働者を代表する闘いが、大阪地裁でも盛り上がりを見せている。
ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS