2011年07月22日発行 1191号

【全原発停止の展望が見えてきた 玄海原発再稼動阻止へ連日行動 官邸前、九電前で連日抗議】

 玄海原発の早期再稼働は困難となった。7月6日、菅首相はストレステスト(耐性検査)実施を表明。玄海町長は再開受け入れを撤回した。すべての原発を運 転停止に追い込む展望が開かれている。今こそ立ち上がる時と、都内で相次いで街頭行動が取り組まれた。

福島の苦しみが許さない

 7月7日、首相官邸前には250人が集まった。この日再稼働差し止めの仮処分命令を求めて提訴した玄海原発プルサーマル裁判の会の石丸初美さんによる佐 賀現地からの電話メッセージが参加者を奮い立たせた。「何度もだまされている。ストレステストでは安心できない。福島の痛ましい犠牲をお悔みしながら、人 の命がどれほど大切かを思い返して運動していく。子どもたちには核のゴミを渡さない。全国の皆さんと連帯してがんばる」

 福島みずほ社民党党首もかけつけた。「本日、国会で菅首相にストレステスト終了まで止めるのかと質問したが、答えはあいまい。根本的な見直しを求めてい く」

 午後行われた原子力安全委員会、原子力安全・保安院との交渉を報告したのは、グリーン・アクションのアイリーン・美緒子・スミスさん。「安全委は現在の 安全設計審査指針が『明らかに間違っていた』と言いながら、この指針に基づいて作られ動いている原発の安全責任は保安院に押しつける。保安院はバックアッ プ用のポンプが1台しかないのに『安全』と繰り返す。政府には悪いことをしたという自覚がない。誰も責任をとろうとしていない」と厳しく批判した。

 福島の子どもたちを避難させる運動を進めるFoE Japanの満田夏花さんは「20ミリシーベルト基準を押しつけられた福島の母親、父親たちが苦しみ続けている。その苦しみを見れば、玄海の再稼働などは ありえない」。

 参加者はキャンドルを掲げて「すべての原発を廃炉に」と官邸にシュプレヒコールを上げた。

 翌8日、有楽町にある九州電力東京支社前には150人。若者らが中心になって行動を続けている東電前アクションなどが呼びかけた。

「マイクの訴えは初めて」

 参加者によるリレートークでは、3・11後に反原発運動に立ち上がった若い世代の言葉が続いた。

 「マイクで話すのは初めて。何の関心もなかった私でも、政府も東電も九電もウソばかりなのが分かる。推進してきたおじさまたちに放射能が行かないで、何 も関係ない小さい子が一番被曝するなんておかしい」「ツイッターで見てここに来た。原発は必要悪と考えていたが、事故後3歳の息子を守らなくては、と勉強 し、自分がだまされていたことに気づいた。原発は生命に対する冒とく。子どもたちの命を守る―このことに議論の余地はない」

 「暗い日曜日」と題するユニークなデモを主催する女性は「声を出す行動だけでは疲れませんか。私みたいにマイクで訴えるのは苦手、という人もいると思 う。衣装やマスク、プラカードだけで脱原発をシュールにアピールします」。

 体を揺らしての「玄海、限界」「原発やめろ」コールや『フニクリ・フニクラ』にのせて「夏の電気が足りないよー」「ウソだろー」「ウソだろー」と歌う替 え歌など思い思いのスタイルで、仕事帰りの人々に訴えた。
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