2011年08月05日発行 1193号

【課題に立ち向かうネットワークに 京都で第2回避難者の集い】

 京都府内に在住する原発避難者と支援者でつくるネットワーク「うつくしま☆ふくしまin京 都」が7月23日、第2回の集いを開催した。

 「たこ焼きパーティ」を企画の柱にした集いには、多くの小学生が参加して大にぎわい。子どもたちが慣れない手つきでたこ焼きをひっくり返すたびに、歓声 が上がり拍手が起こった。

参加家族は倍増

 6月の第1回の集いでは7家族の参加だった避難者は倍増した。子どもたちを含めると避難者は支援者を大きく上回った。福島県出身が多数だが、茨城県や栃 木県からの原発避難者が多いのもこの会の特徴だ。

 たこ焼きに続く交流会で、直面する課題に立ち向かっていく姿勢が打ち出された。「避難という選択が間違っていなかった」ことをお互いに確認した前回から 大きく発展した内容だ。

 共通の話題の一つは放射能汚染肉牛の流通問題に絡む食材をめぐって。

 「せっかく放射能から避難してきたのに、食材汚染が追っかけてきた。給食が心配だ」「京都市は産地を発表しているが、牛乳はブレンドしているので不安 だ」「私立幼稚園の給食は民間業者だ。どうしたらいいのか」「給食の産地を聞いたら茨城産だった。小学校も保育園も弁当に変えた」「暫定基準値がそもそも ダメ。子どもを守りきれないから、給食を食べさせないようにした。医者に意見書を書いてもらって手作りの弁当にした」

 ネットワークは各自治体に対し、公共施設などでの放射能測定と給食食材や水道水の測定・公表を求めていく。

「自主」避難の権利を

 話題の二つ目は「自主」避難者の権利の問題だ。

 「住民票を京都に移すかどうか」の悩みが多く出た。「住民票を移さないと助成金が戻ってこないと聞いた」「市営住宅にも申し込めない」「大学の図書館 で、運転免許証の住所と違うからと断られた」

 支援者からは「行政も最初の『罹災証明さえあれば』という姿勢からだんだん厳しくなってきた」「声を上げ、変えていくしかない。現行の制度に合わせるの ではなく、『自主』避難者としての権利を要求すること」などが助言された。

 ネットワークは9月の集いのテーマを「自主」避難の権利と補償問題にする予定だ。

 2回の集いを経て、避難者自身でつくるネットワークが確立されてきた。京都府内では京都市山科区、伏見区、宇治市に比較的多くの避難者が在住する。伏見 区では地域単位の連絡網が整備され、茶話会の開催も決まった。
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