2012年02月24日発行 1220号

【2・8ストレステスト聴取会 審査は終わっていない 保安院は再稼働を断念せよ】

 大飯原発3・4号機のストレステストについて原子力安全・保安院は2月8日、「福島のような地震・津波が来襲しても同様の事故に至らせない対策が講じら れている」と評価する審査書案を専門家の意見聴取会に提示。「保安院として責任をもって審査書を取りまとめる」とした。


二次評価が未提出

 しかし、審査は終わっておらず、再稼働へのハードルは取り除かれていない。

 聴取会では冒頭から、反原発派の2人の委員が保安院に問いただした。後藤政志委員は、IAEA(国際原子力機関)調査チームの勧告に関連して「IAEA も大飯3・4号機を見て安全だとは一切言っていない」と指摘。井野博満委員は、IAEAチームが(炉心溶融防止策を対象にした一次評価とは別に、過酷事故 対策を対象にした)二次評価を適切な時期までに完了するよう助言したことに触れ、「二次評価は昨年末までに事業者が提出することになっていた。保安院はせ かしているのか」。再稼働につながる一次評価の審査は急ぐ一方、二次評価の提出を怠る電力各社には何の指導もしない保安院は規制当局の体を成していない、 という批判だ。

 両委員の追及は続く。「技術者の設計したものが想定通りになっていたら事故は起こらない。確実であること、安全側であること―その思想が徹底しないと絵 空事だ」(後藤委員)「一次評価と二次評価は不可分。一次評価だけで『合格』とは言えない。地域の人たちに説明できるのか」(井野委員)。推進派の委員か らも「津波の高さと遡上高さが区別されていない」(小林信之委員)など、遠慮がちながら批判が出された。

再稼働のハードルは高い

 この日の聴取会は会場も明かされず、前回に続き同室での傍聴を求める市民を排除。経済産業省前は「おおいっ!再稼働ありえんっ!」などのプラカードが並 び、国際環境NGOグリーンピースは目玉の面をかぶって「忘れていませんか?市民の『目』」と抗議した。福井からかけつけた「プルサーマルを心配するふつ うの若狭の民の会」メンバーは「若狭には日本で一番たくさん活断層がある。密室の審議に、15基も原発を抱える私たちの安全は任せられない」と怒りをぶつ けた。

 この闘いに応えて井野・後藤両委員は聴取会終了後、保安院側の制止を振り切り、市民がモニター「傍聴」していた部屋で記者会見。「問題は多く残ってい る。常識的に日本語を理解すれば、保安院が審査書を安全委員会に送ることはできない」(井野委員)「ストレステストには網羅性がなく、様々な随伴事象の複 合も全く考えていない。このまま再稼働なんてとんでもない」(後藤委員)と述べた。

 かりに審査書提出を強行しても、再稼働が近づくわけではない。審査書案には、大飯原発周辺の活断層や1586年の天正地震の際の津波について「関西電力 に追加調査させ、結果を厳正に確認する」という素案段階になかった文言が追加された。その確認がなされていない今、「安全」宣言などできない。

 経産省前に「再稼働反対」「原発やめろ」「今すぐやめろ」のコールが響き渡った。


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