2012年03月30日発行 1225号

【3・10郡山で交流と文化のつどい 歌、踊り、語りで表現 「原発いらない、命を守れ」】

 3月10〜11日、福島県郡山市内で「原発いらない地球(いのち)のつどい」が開かれた。 10日夜の「交流と文化のつどい」はリレートークや歌、踊りで「原発いらない、命を守れ」を表現。会場は感動に包まれた。

 「混沌の時代は変革への時代であり、今こそ私たちの時代かもしれません。一人一人が熱い開拓者、志を高く掲げたパイオニアとなって生き抜こうではありま せんか。福島を忘れず、福島で起きていることを世界中に伝え続けてください。私たちと共にいてください」。ハイロアクション福島原発40年の黒田節子さん があいさつした。


福島の思いが次々と

 リレートークでは福島からの思い、福島への思いが次々と語られる。

 田村市から石川県に避難している浅田正文さん。「金沢から50キロのところに原発が2基ある。福島は決して他人事ではない。私たちと同じ経験をしてほし くない。『さようなら原発、生まれ変わろう日本』の声を石川県、北陸、日本全体に広めていきたい」

 自然食レストランを営む須賀川市の有馬克子さんは「避難するか揺れながらもここに踏みとどまっている。一人でも病気にならないよう支えたい。みなさんと 生き残って原発の卒業式を見届けたい」。

 海外からは、ドイツのジルビア・コッティング・ウール緑の党連邦議会議員が参加。「脱原発、再生可能エネルギーへシフトしない日本政府に強い憤りを感じ る。今日は脱原発を求めるドイツ国民5千人分の署名を携えてきた」。3月11日に230キロのヒューマンチェーンに取り組むフランスからもメッセージが。

 リレートークの合間に歌やダンス・ワークショップがあい、つどいを盛り上げた。

 原発いらない福島の女たちの椎名千恵子さんは経産省前テントひろばの2人とバンドを組み、福島バージョンの『イムジン河』を披露。「誰が福島をちりぢり に/させてしまったの?」と歌う。西洋の影響を受ける前の「古式フラダンス」の講師、水野みさをさんのワークショップでは、ジョン・レノンの『イマジン』 を全員フラダンスで踊り、“Nuclear power plant is over, if you want it(あなたが望めば、原発はなくなる)”と思いを込めた。

「民衆の踊りです」

 「みーぎ、ひだり、うしろ、うしろ、みぎ、ひだり、ちょん」。福島の女たちの武藤類子さんのかけ声に合わせて「かんしょ踊り」の振り付けをマスターす る。「かんしょ」は会津方言で「一心不乱、無我夢中」。江戸時代から続く踊りだが、あまりにエネルギッシュで下品と明治政府に禁じられた。「民衆の踊りで す。下品で力強くユーモラスに、私たちの力を存分に表しながら踊ってください」

 『会津磐梯山』の節とともに、全員がところ狭しと踊り出す。その輪は幾重にも広がり、渦となった。椎名さんはマイクを取り「いつか『かんしょ踊り』で経 産省を囲みましょう」と呼びかけた。

 フィナーレは「原発はいらない」を全員で歌い、福島の女たちの地脇美和さんがしめくくる。「福島に住む女性から、なぜこんな集会をやるのかとお怒りの抗 議を受けた。慰霊の日として11日を迎えたいが、静かに慰霊していていいのか。本当の意味で復興するには、原発を今すぐすべて止めること。明日は一緒に 『いのちが大事』の思いをかみしめ、すべての原発を廃炉にし新しい私たちの生き方を始める第一歩の日としたい」

 閉会後も感動は冷めやらず、3・11に思いを馳せながら会場の内外で交流が続いた。


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