2012年03月30日発行 1225号

【市民を弾圧するODAをやめろ イラク平和テレビ局 in Japanが要請行動】

マリキの人権弾圧を追及


 イラク平和テレビ局 in Japanは3月16日、市民を弾圧するODA(政府開発援助)の中止とイラク戦争検証委員会の設置を求めて要請行動を行った。要請先はJICA(国際協 力機構)と外務省、経済産業省。首都圏と関西から12人が参加した。

 このうち外務省では中東第二課らが対応。米国防総省が支出したイラク復興関連費中20億ドルが使途不明との報道については「コメントする立場にない」、 マリキ政権の人権弾圧に関しては「国連で議論されたり制裁措置がとられている事実はない(ので問題にしない)」、JICAの円借款事業は日本企業のためで はないかとの指摘には「イラク市民のためにまずやっており、わが国企業の利益に貢献するならなおよい」といった回答に終始した。検証委員会についても「将 来の課題」とする鳩山内閣以来の公式見解をくり返すにとどまった。

イラク戦争検証委設置を

 要請団は、日立と豊田通商がイラクの火力発電所改修向け機器受注のプレスリリース(3/14)に「警察用バス供給を受注してきた」との記載があることな どを示し、ODAが民衆運動迫害に使われているではないか、と追及。外務省側はようやく「貴重な情報として承る。今後の政策立案に生かしたい」と述べた。

 経産省では、イラク治安当局による市民拷問の写真を見せ、弾圧中止をマリキ政権に要求するよう迫った。通商政策局中東アフリカ課は「ODA事業が不正に 使われないよう監督する」としつつ、「日本企業が海外でビジネスをすることは日本の所得を増やすこと」と石油利権獲得を後押しする姿勢は変えなかった。

 要請終了後、参加者からは「水も電気も来ない、ひどい人権弾圧のイラクをつくった反省が感じられない」「要請を重ねてきたことでほんの少しだが変化もあ る。請願権を行使し続けることが大事」「検証委員会を設置させる意義を改めて痛感した」などの感想が出された。


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