2013年01月25日発行 1265号

【キヤノン争議勝利 2月に報告集会/非正規雇用撤廃、首切り自由を許すな】

正社員で戻ることの意義


  2人の正社員雇用を含む画期的な和解をかちとったキヤノン争議の勝利報告集会が2月3日、東京・千代田区のエデュカス東京で開かれる。キヤノン非正規労働 者組合と同組合を支える会は、この勝利をすべての争議勝利、失業・不安定雇用の根絶へと前進する出発点にしようと、広く参加を呼びかけている。

 12 月20日に成立した和解に基づき、27日には東京地裁で裁判終結の手続きがあった。その直後の記者会見で、原告団長の阿久津真一さんは「私たちは派遣会 社・請負会社には訴えを起こさず、派遣先・請負先のキヤノンだけを訴えた。キヤノンの職場でキヤノンの正社員の指揮命令の下、キヤノンのために働いてきた のであり、雇用主としての実体があるのはキヤノンだからだ。そのキヤノンが違法行為を認め、正社員に迎え入れてほしいという気持ちで闘ってきて、2人が正 社員として戻る。本当に大きな意義があると思う」と語った。

 原告5人のうち阿久津さんら3人は、雇用先の地域に転居できないため、退職 する。会見でこの点を尋ねられた阿久津さんは「自分は戻れないが、法を犯した企業が何の責任もとらなくていいという今の世の中で、2人を戻せたことに大き な満足感がある。闘いを通じて多くの方と知り合い、決してつらいだけでなく人生の大きな財産になった。この解決をもって、もちろん組合活動も続け、前を向 いて進んでいける」と答えた。

非正規のない社会へ

 年明け後も阿久津さんはさまざまな争議運動の場で勝利解決を伝えている。1 月10日のJAL本社前集会ではこう訴えた。「私は(JAL整理解雇直前の)2010年12月の集会で『私たちが求めるのは首切り自由の正社員などではな い。家庭を築き、子どもに教育を授け、親の面倒をみ、仕事を通して社会に貢献したいと願う私たちの願いとJAL労働者の皆さんの願いは同じ。非正規労働者 と正社員を分断する動きに負けず、人間らしく暮らしたいという共通の願いで連帯しよう』と発言した。いま首切り自由はますます広がっている。JAL争議・ 非正規争議を勝利させ、首切り自由のない安心して働ける社会をつくるため、共に頑張りましょう」

 正社員として雇用される2人は遅くとも1月末までに就労を始める。

 勝利報告集会は関西でも、2月16日に尼崎市立すこやかプラザで行われる。5人が働いていた宇都宮光学機器事業所のある栃木県内でも開催される予定だ。


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