2016年07月29日発行 1438号【２０１６参院選／地域に広げる市民の闘い】 |
自公改憲政党の「争点隠し」に改憲阻止の野党共闘で闘った２０１６参院選。勝利するために必要なもの―地域から選挙戦を支えた市民の闘いを紹介する。互いの姿が互いに元気を分けあう／東京都足立区議・土屋のりこ７月10日20時20分、民放局が「福島みずほ当確」の第一報。こんなうれしいことはない。当落判明は未明にもつれ込むのでは、と言われていた中での早々の当確だった。区民の方たちと立ち上げた足立応援団にはみずほさんを応援する個人が集まり、竹ノ塚、西新井、北千住各駅での大宣伝や商店街練り歩き、ポスティングもビラを追加発注し、力を入れて取り組んだ。 公示後、本人は乗らない候補者カーが２度下町エリア入り。江東区からスタートし、葛飾区ではみずま雪絵区議と共に、足立区では私が弁士を務め、地元六町（ろくちょう）や綾瀬、梅島、千住を駆け抜けた。最後は荒川区へ、市民運動の方たちと合流し、20時まで時間いっぱい町屋、南千住、日暮里と車を走らせ、訴え、手を振り、ビラを配った。 当たり前だが、候補者本人の訴えが一番票になる。応援演説で票をつかめるのはよほどのこと。だけど、みずほさんが「ずんずん」で全国を歩き回る間、私たちも一票でも多く票をつかみ一歩でも当選に近づけたいと考えた。 その後も２度候補者カーに乗り、ウグイスや弁士やビラまきをした。池袋で石川大我・豊島区議と、最終日には上野、浅草でママの会の方とともに訴えた。保守と名乗る方やＬＧＢＴ当事者など、幅広い人びとがみずほさんを応援している姿に出会った。 竹ノ塚では、訴えに足を止めビラを受け取りに来た女性がいた。南千住では、宣伝カーに駆け寄り握手をしてくれる男性がいた。互いの姿が互いに元気を分け合い、共感を掘り起こしていることを実感する選挙だった。 今は都知事選真っただ中。７月31日の投票日まで駆け抜けたい。 市民みんなでがんばった福島・わたなべ選挙戦争法の廃止を求める街頭行動や署名活動で出会った人たちは、選挙運動にも積極的に参加しました。出会いは戦争法廃止の集会・デモや署名集めでした。署名の期間が終わり参院選が迫る中で、本当に戦争法を廃止し安倍政治の暴走を止めるには〝参院選で戦争法廃止を掲げる野党が勝つこと〟が求められていることは誰でもわかります。いっしょに運動をつくってきた人たちに選挙運動への協力を呼びかけると、多くのみなさんが応えてくれました。福島みずほさん、わたなべ結さんの街頭演説に駆けつけ、推薦ハガキを書き、投票をお願いする電話をかける選挙活動につながっていきました。 戦争法廃止署名のとき「安倍首相のやっていることは恐ろしい。早くやめてもらいたい」と語っていた、２人の子どもをもつお母さん。仕事や家事に忙しい合間をぬって、政策チラシのポスティングや暑い中の街頭署名に。電話かけではなかなか良い返事がもらえず、「心が折れそうになる」と言いながらがんばりました。折れそうな心を支えていたのは「子どもの未来への不安をとりのぞきたい」という母としての強い思いであり、変えるために行動しなきゃという意志の力だと感じました。 結果は、福島さん当選、わたなべさん惜敗の１勝１敗と悔しいものになりました。でも、〝政治とふだんの生活はつながっているから、市民もどんどん意思表示していいんだ〟―そう考え、行動する市民が増えれば政治を変えられると思えた選挙でした。 （平和と民主主義をともにつくる会・大阪 西岡裕子）  何かしなければ 初めての参院選応援街頭署名をきっかけに、最終的には参院選の応援をするまでに至った。初めて選挙権を得た89年の参院選で、保守王国の石川で今回の野党共闘の走りである連合型候補が自民党に競り勝って感動したのが、昨日のことのように思い出される。政治・経済で大学受験した法学部出の私にとって、もともと政治は身近なものだったが、公務員だったこともあり、選挙活動はしたことがなかった。だが、今回ばかりは何かせなアカンと思ったし、政治情勢には不満があった。署名活動での出会いから、意を決して政治活動を始めた。 今回、大阪選挙区は共産党のわたなべ結さん、比例区は社民党の福島みずほさんを応援した。当選が危ういわたなべさんを、特に比重を置いて応援した。というのも、彼女の経歴が大阪外大卒という、外大をめざした私にとってあこがれの存在だったからだ。 電話かけや街頭応援は最初ぎこちないものだった。しかし、最終日７月９日のマイク納めの後、23時半ころまで候補者らとともに必死に訴え続けている自分がいた。 残念な結果に終わったが、貴重な体験ができたので今後の活動につなげていきたいと思っている。 （ＭＤＳ大阪・Ｙ）  |