2016年08月19・26日発行 1441号

【未来への責任/緊迫した情勢下でのキャンドル行動】

 11回目を迎える「平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」が8月13日(土)、東京の韓国YMCAで行われる。

 今年のキャンドル行動は、平和勢力と改憲・戦争勢力の激しい緊張と闘いの中での行動となる。少し長いが、この期の攻防を整理しておきたい。行動の成功は、かつてない重みをもつと考えるからである。

 参議院選挙で改憲派は3分の2をとったが、沖縄や福島、TPP関係の主要な県では戦争法に反対する野党統一候補が勝利した。多数を占めた与党は、報復として選挙直後に沖縄高江に1千名の機動隊を配備して暴力的な排除を強行した。琉球新報が号外「国、高江の着工強行 機動隊、市民を排除」を出したほどだ。

 これにはアメリカ国内からも批判の声が上がっている。8月11日から開かれる米国の退役軍人の会VFP(ベテランズ・フォー・ピース)の年次総会で、ヘリパッド建設の強行について「(日本政府の)恥ずべき反民主的で差別的な行為」と批判し、米政府に計画の放棄を求める決議を採択しようとしている。採択されれば全米120の支部が行動に立ち上がる。強行は反対の声を広げているのだ。

 2日に公表された「防衛白書」では中国に関する記述を6ページも増やし、3月施行された安保法制の重要性を強調している。これに対し中国は「中国軍に対する悪意が全編に満ちている」「強烈な不満と断固とした反対」と異例の言葉で表明した。安倍新内閣発足では、生粋の歴史修正主義者で靖国神社参拝を繰り返す稲田朋美議員を防衛相に登用した。挑発以外の何物でもないが、アジアから批判を買うことも必至だ。

 戦争法の「駆けつけ警護」の検討対象である南スーダンは、政府の言う「発砲事件」という生やさしいものではなく、両派間で激しい戦闘が続いている。「陸上自衛隊の宿営地内にも小銃のものと思われる弾頭が複数落下しており、隊員は防弾チョッキやヘルメットを着け、身を低く構えていた」(岡部俊哉陸上幕僚長)のだ。殺し殺される前に戦争法の発動をとめなければならない局面にある。

 今回のキャンドル行動のテーマは、「戦争法の時代と東アジア―『戦死者』とヤスクニ」である。

 シンポジウムでは、高橋哲哉さん(東京大学教授)が「戦争法の時代」の全体像を、韓国から参加される金敏普iキム・ミンチョル)さんは「韓国・東アジアから見た戦争法」を明らかにする(韓洪九<ハン・ホング>さんは諸事情により来日できなくなりました)。沖縄からは、新垣毅さん(琉球新報編集委員)が現地の生々しい状況とともにその持つ意味を明らかにするはずである。

 日韓の遺族の証言に続き、「慰安婦」問題、戦争法違憲訴訟、南スーダン、沖縄問題も直接かかわっている方々からアピールがある。力の入ったコンサートとその後キャンドル・デモ。右翼の妨害も一段と強まるだろうが、世界の多くの人びととの連帯で平和の灯を!灯して、続けていこう。

(グングン裁判の要求実現を支援する会・御園生光治)

 
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