2016年10月07日発行 1447号

【1447号主張 臨時国会 焦点は憲法改悪と沖縄 沖縄・憲法緊急署名を全力で】

 臨時国会開会の9月26日、安倍首相による所信表明演説が行われた。安倍は改憲について「案を国民に提示するのは国会議員の責任」と改憲案作成への議論を求め、第2次政権以降の施政方針・所信表明で初めて改憲案提示を明言した。沖縄・高江ヘリパッド建設も「先送りは許されない」と強行を宣言した。まさに焦点は憲法改悪と沖縄である。

改憲先取りの安倍政権

 安倍政権は、今公然と憲法や諸法令を踏みにじっている。高江ヘリパッド建設工事では500人を超える機動隊の暴力で市民排除と拘束・不当逮捕を繰り返している。通行車両の検問、県道上のテント撤去と金網フェンス設置、報道規制、はては自衛隊大型ヘリによる県道越えの工事車両の搬入。何の法的根拠もない違法行為が行われている。

 辺野古埋め立て承認取り消し違法確認訴訟では、安倍の肝入りで人事配置されたといわれる裁判官が「辺野古移設が唯一」と、国の主張を全面的に代弁する不当判決を出した。司法も三権分立を捨て去り、安倍政権と一体で憲法破壊を促進している。

 これら憲法無視と超法規的措置は、すべて安倍政権の狙う改憲の先取りとしてある。

緊急署名で世論広げる

 平和と民主主義をめざす全国交歓会(ZENKO)は「平和と命を守る緊急署名」運動を全国に呼びかけている。憲法改悪と沖縄新基地建設の阻止を同時に掲げたこの署名運動の意義はきわめて大きい。

 第一に、その緊急性である。安倍は、臨時国会で憲法審査会をフル回転させ、野党を巻き込むことも狙い改憲策動の具体化に踏み込む。日本会議は、地方議会で改憲促進決議の採択と署名に取り組んでいる。これらに反撃し、市民が直接参加できる憲法改悪阻止の運動を広げることは急務だ。また、高江の市民弾圧を直ちに止めなければならない。

 第二に、事実上憲法外に置かれた沖縄の現実を告発し、憲法理念の実現を要求するものである。沖縄は今、平和的生存権や地方自治を奪われている。安倍政権の改憲の狙いは戦争の遂行にある。緊急事態条項の設置は、首相権限を強化し市民の権利を停止することで戦争協力を強要する。新基地建設のために人権を侵害され戒厳令状態に置かれた沖縄の現実は、改憲後の日本の姿そのものだ。新基地阻止と改憲阻止を結び、自らの闘いとして署名運動に取り組む意義がここにある。

 9月20日、京都府向日(むこう)市議会はヘリパッド建設反対の意見書を採択した。こうした地域の声を形にし、1筆でも多くの署名を緊急に集めることが、安倍の憲法破壊と新基地建設、暴力を止める世論を作りだす。全力を尽くそう。

10・23、30団結まつりへ

 10月、沖縄基地阻止・改憲阻止を柱に団結まつり(23日東京、30日大阪)が開催される。この場に高江現地で10年間闘い続ける「ヘリパッドいらない住民の会」の儀保(ぎぼ)昇さんと伊佐真次(まさつぐ)さんが参加する。儀保さんは「本土が変わらないと沖縄だけでは勝てない」、伊佐さんは「命をかけて闘う。もっと連帯してほしい。広げてほしい」と強調する。全国の沖縄連帯、改憲阻止の闘いこそ展望を作り出す。ともに署名運動に取り組む市民をさらに増やし、団結まつりを成功させよう。

 (9月26日)
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