2016年10月21日発行 1449号

【「もんじゅ」も原発もいらない関西集会 もんじゅを廃炉へ 核燃料サイクルは破綻した】

 10月1日大阪市内で、「『もんじゅ』も原発もいらない!戦争いやや! 関西集会」が開かれた。脱原発政策実現全国ネットワーク関西・福井ブロック、とめよう「もんじゅ」関西連絡会が主催した。

 多くの反原発裁判の弁護団にかかわる井戸謙一弁護士が「ノーモア原発震災」のテーマで講演した。

 井戸弁護士は原発運転差し止めなどの訴訟にかかわる裁判所の変化を指摘。「福島第一原発事故前は2勝36敗だったが、事故後は4勝6敗と拮抗状態」。とくに高浜原発運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定を「隣接県の住民が隣接県の裁判所に申し立てた請求が認められた。現に稼働中の原発を司法の力で現実に止めた」と高く評価した。

 井戸さんは「原発は必ずゼロにすることができる。問題は次の過酷事故に間に合うか否かだ」と指摘する。「高浜3・4号は司法の力で止まっている。川内1・2号は政治の力で止める可能性が出てきた。伊方3号は司法の力で止めることができる。原発安全神話と闘おう。原発に退場の道筋をつけてあげるのが市民の役割である」と述べた。

 原発15基が集中する福井の若狭から中嶌哲演さんがアピールに駆けつけた。「原発推進派は今まで立地自治体の合意でごり押ししてきたが、隣県大津地裁の高浜差し止め決定で推進派の土俵はくずれた。関西の人びとの世論と奮闘で若狭の原発が止まる。10月13日に大阪高裁で行われる高浜運転禁止仮処分保全抗告審の第1回審尋に注目し、傍聴席を埋めよう」と呼びかけた。

 政府は9月21日の関係閣僚会議で「今後の高速炉開発の進め方」を決定した。「『もんじゅ』については、廃炉を含め抜本的な見直しを行う」としながらも「核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むとの方針を堅持する」とした。

 もんじゅ廃炉については小林圭二さん(元京大原子炉実験所講師)が発言した。

 「本来の核燃料サイクルは、高速増殖炉を使ったサイクルでプルトニウムを増殖させるのが狙いだった。軽水炉サイクルのプルサーマルは海外からの批判にさらされて生み出した苦肉の代替策で、本来の核燃料サイクルではない。高速増殖炉の『もんじゅ』を廃炉にすることは核燃料サイクルが破綻したことを意味する。それなのに、政府は『核燃料サイクルの推進を堅持する』と延命を図ろうとしている。『もんじゅ』にはこれまで1・1兆円もの税金がつぎ込まれた。半世紀にわたる無駄遣いだった。途方もない巨額をつぎ込んでも将来が全く見えない核燃料サイクルを延命させてはならない」と小林さんは力説した。

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