2016年10月28日発行 1450号

【貧困・奨学金問題 生きる権利を守らせよう 10・8反貧困全国集会】

 反貧困全国集会が10月8日、都内で開かれた。

 テーマは「どこが変わった?貧困問題/守らせよう生きる権利」。相模原の障がい者殺傷事件や国会議員による貧困状態の高校生へのバッシングなど、人間の尊厳を否定し、追いつめられた者同士を分断し、貧困と格差を拡大させる動きは根強い。これに立ち向かい、生きる権利を守らせるための互いのつながりを強めていこうと白熱した議論が交わされた。

 リレートークでは、「家賃下げろデモ」「子ども食堂」「フードバンク」「非正規争議」「障がい者運動」「原発事故避難者」「上げろ最低賃金デモ」「セクシャルマイノリティ」「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」の当事者が次々にマイクをとる。

 障害者の生活保障を要求する連絡会議の尾上裕亮さんは「相模原の事件を絶対に許さない。人を切り捨てる世の中の風潮が大きく影響していてそれを払拭する必要がある」と発言。避難の協同センター代表世話人の松本徳子さんは「住宅支援打ち切りは被害者を孤立させ、経済的に困窮させる。東京都は都営住宅の優先入居を打ち出したが、外れる世帯が多い」と訴えた。

 シンポジウムで、奨学金問題対策全国会議の岩重佳治弁護士は「相談者とはとことん付き合い、その中から救済策を見出していく。(ロビイングは)党派の偏りなく、与党も含むすべての議員に働きかけてきた」と振り返り、「みんながお金の話を抵抗なくできるようにしよう。お金を稼げない人はものを言ってはいけないという文化を突破していこう」と提案した。