2016年11月04日発行 1451号

【ヘリパッドいらない住民の会 儀保昇さん報告 人が必要です。ぜひ現場に来てください】

 沖縄島(おきなわじま)(本島、離島という呼び方はしません)北部の大宜味村(おおぎみそん)、国頭村(くにがみそん)、東村(ひがしそん)3村をやんばると言い、東側部分に米軍北部訓練場があります。9年前、そこにヘリパッド新設の話が出て以来、許さない運動をしてきました。

 やんばるは生物多様性に富んでいます。西側1万haが国立公園になりましたが、人が利用するためで自然を守るものではありません。一切手をつけてはいけない特別保護区は、所々しかありません。

 SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意で返還するとされた4千haの中には使用されていないヘリパッドもあり、そこは植物が生い茂り森に戻りつつあります。「負担軽減」を言い返還する代わりに、高江周辺にオスプレイ配備と一体の新しいヘリパッド6か所をつくるのです。「普天間を返す」と言って、辺野古に新しい機能を加えた基地をつくる基地最新化と同じやり方です。

 高江の部落は2回、反対を決議しました。炎天下、毎日家族連れでゲート前に座り込み、「ヘリパッドいらない住民の会」を立ち上げてからは交代で座り込みを続けました。沖縄防衛局と地元の工事請負業者を前に「道を通さない」と向き合いました。当時は、機動隊はおらず、沖縄県警は両者を分けるために割って入るだけでした。

 膠(こう)着していたN1ゲートを巡る攻防は7月22日、突然破られました。全国6都府県の機動隊が大挙して襲いかかり、抗議者を押し、引っくり返し、転がし、肋骨骨折や失神する人も出ました。大型トラック・バスからパトカーまで車列をなし、機動隊がずらりと並びます。

 今は、1日100台くらいのトラックが採石場から砂利を積んできます。やんばるは酸性土壌ですが、PH(ペーハー)が7を超える強いアルカリ性の石灰岩を運んできます。土質が変わり植生が回復できるか疑問です。2年前からオスプレイが部落の上を飛び、離着陸を繰り返しています。爆風は、立っていたらフラフラするぐらい恐ろしい。ノグチゲラが学校の窓ガラスにぶつかって死んでいます。生物への影響は深刻です。訓練場が返還されないうちから閣議決定でオスプレイの飛行を認める許し難い事態が進んでいます。

 市民が300人いると手が出せず、400人だと排除を諦めますが、200人では片っ端からごぼう抜きされます。水・土の大行動以外の50人ぐらいだとどうしようもありません。スラップ(恫喝<どうかつ>)裁判で委縮させ、不当拘束・逮捕でさらに委縮させようと弾圧を強めています。しかし、私たちは「基地建設阻止行動であればどんなことも支援しよう」と決めました。沖縄のため、平和のために絶対に諦めません。
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