2016年12月23日発行 1458号

【第12回アジアはともだち!子どもコンサート/平和な未来を拓く℃vい広がる】

 第12回アジアはともだち!子どもコンサートは、11月26日大阪、27日東京で開催された。「沖縄県読谷村(よみたんそん)からの参加団体も増え、子どもが主体の『平和な未来を拓くコンサート』として成功」と強調するのは関西実行委員会の高松昌子さん。両実行委員会から報告を寄せてもらった。

大阪/初の小学校開催/みんなの手作りで一体感

 11月26日、大阪コンサートは、初めての小学校体育館での開催でした。大そうじから始まる前日の準備、設営から翌日の片づけまで、地域の親、仲間、子ども全交の先輩たち、学校関係者などなど、多くの力を借り、何度もやりとりをし、手作りのコンサート会場をつくりあげました。

 獅子舞、和太鼓のいつもの練習場所だけど、やはり当日は緊張。みんなで気持ちを押し上げていく一体感に「これがコンサートだ!≠ニ実感した」(中1男)と言います。「(去年の)区民センターから今年は小学校になってしまい、びっくりしたけど、大成功だったのでとてもよかった。いい子どもコンサートになったと思います」(中1男)と満足気です。

 「かわいい子どもたちの踊りを通して、戦争や平和について改めて考えさせられる良い機会になりました。また、沖縄に限らず身近な平和や幸せにも照らし合わせていろいろ想いをめぐらせることもできて、価値ある時間を過ごすことができたと思います」(保育所でチラシを見て来られた母子)とのアンケートも寄せられました。

 今年は、学校行事が重なって参加できず、映像で出演の朝鮮初級学校。大人からも子どもからも、残念だったとの声が多数聞かれました。また、コンサート前には、京畿道(キョンギド)南楊州(ナムヤンジュ)市の「文化の家」が主催する「ピンデトック(チヂミ)まつり」に招待されて韓国との交流再開の展望も開け、来年に向けてアジアの子どもたちの交流の広がりに期待が膨らみます。

(関西実行委員会・高松昌子)


東京/子どもたちが考え決めた/命が大切、ちがっていい

 7月26日、神奈川県立津久井やまゆり園で起きた凄惨な事件は、私たちののど元に優生思想というファシズムの刃を突然突き付けられた事件でした。子ども全交に集う小5のMさんのお母さんは元津久井やまゆり園職員。私は同じ県下の障害者支援施設職員です。8月、子どもコンサート実行委員会の立ち上げは、大人としては整理しきれない混沌とした思いの中での議論とスタートでした。

 しかし、大人と子どもが一緒に思いを語り合う真摯な議論の中で、実行委員長の河辺菜々子さんは「沖縄の命(ぬち)どぅ宝がいい! 命が一番大切だと思う!」、また学校でいじめを受けてきたK君は「みんなちがってみんないいという言葉を絶対に入れたい!」と子どもたちの言葉で今年のコンサートテーマを導き出してくれました。

 読谷村から琉舞で参加の友理さん(小6)は「自分の宝物」紹介コーナーで「自分には知的障害を持つ姉がいる。うざく思ってしまう時もあるが、いつも明るく良いところがたくさんあり、自分や家族、皆の宝物」と話しました。

 今年のコンサートの軸は、企画、進行、演目に至るまで「子どもたちが考え決めること」でした。結果、準備不足もあり本番が始まってからもバタバタの連続でしたが、参加者のアンケートでは「自分たちの言葉でしっかり伝えようとしている」「生き生きとしている」と感想が。「さまざまな年齢の子がいて、みんなが楽しんでいる様子が伝わってきた。大きい子が小さい子のお世話をさりげなくするところがいい」との声も寄せられました。

 これまで子全の活動の中で皆で大切にしてきたこと、今年のテーマを、舞台の上で子どもたち自身が思いっきり表現してくれたコンサートでした。

(関東実行委員会・河辺邦夫)

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