2016年12月23日発行 1458号

【許すな“もんじゅ後継炉”計画 破綻する核燃サイクルにとどめを 新もんじゅ訴訟で原告側陳述】

 高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が既定方針とされる一方で、政府の「高速炉開発会議」は11月30日、より実用化に近い「高速実証炉」の開発を推進する方針を発表した。

 12月7日、東京地裁で行われた新もんじゅ訴訟の第5回口頭弁論で、原告側は破綻した核燃料サイクル政策への固執をきびしく批判した。

 原告の松田正さんは「原型炉が失敗したのに実証炉に進むとは意味不明。知見は建設されてもいないフランスの新高速炉からもらうという。こんないい加減な計画は絶対に認めない。『夢の原子炉』から早く目を覚ませ」と陳述。

 海渡雄一弁護士は「高速炉開発会議のメンバーは経産相と文科相、日本原子力研究開発機構理事長、電気事業連合会会長、三菱重工業社長。核燃サイクルを進めてきた当事者だけで核燃サイクル延命の方途を話し合っている。日本は一体プルトニウムを何に使うのかと世界の不信を募らせるだけだ」と強調した。

 翌8日の「さようなら『もんじゅ』東京集会」でも、核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団長の浅石紘爾(こうじ)さんが「実現の見通しの全くない高速炉開発は、原子力ムラの亡霊がまたまた一人歩きしたもの。背景の一つに、核兵器の材料となるプルトニウムの製造技術を温存していつでも核保有できる体制を持ちたいという願望がある」と指摘した。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS