2016年12月30日発行 1459号

【事故後6日で飛行再開/危険な欠陥機オスプレイ/日本の空を凶器が飛ぶ】

 米軍は名護市沖のオスプレイ墜落事故について、空中給油訓練中のトラブルでプロペラを損傷したためだとし、機体の構造に問題はないと説明。日本政府が容認する中、墜落からわずか6日後の12月19日午後に飛行訓練を再開した。

 「ふざけるな」と言いたい。オスプレイは構造に問題がある欠陥機だから落ちたのだ。

 米国防総省系の研究機関でオスプレイの分析を担当したレックス・リボロ元主任分析官は、「航空機が制御できていた場合、機体の損傷を引き起こさずに水面に着陸できただろう。機体が激しい損傷を受けた事実はその航空機が制御不能であり、航空機を破壊するに十分な力で水面にぶつかったことを示唆している」と述べ、オスプレイが制御不能で墜落したことを強調した(12/16琉球新報)。

 空中給油が事故につながったことについては、どの航空機でも夜間の空中給油は常に難しいが、「オスプレイは回転翼が垂直であり、(空中給油機の)給油パイプに非常に近いので、より深刻な状況になる」と指摘した(図参照)。

 米軍の「住民被害を避けるため意識的に浅瀬に着陸しようとした」という主張に対しては「無意味でばかげている」とばっさり。本当に機体を制御できていたなら、ビーチに緊急着陸できていたはずだという。

 そもそも、オスプレイには揚力不足という根本的欠陥がある。傾斜式回転翼機の宿命で、オスプレイは回転翼の羽根を一定以上長くできない(胴体に接触してしまう)。しかも、ヘリにはない大きな主翼を持つ構造上、機体重量は同じ大きさのヘリよりも格段に重くなる。回転翼が小さいのに機体は重いとなれば、揚力不足は当たり前。常に目一杯の状態で飛んでいるオスプレイは、機体トラブルや操縦ミスが墜落に発展しやすいのだ。

 しかも、普通のヘリならエンジンが停止しても機体降下時に発生する気流を受けて回転翼を回し軟着陸を図ることが可能だが、オスプレイでは無理である。揚力が足りず落下スピードを緩和できないからだ。

 このような欠陥を抱え、実際に重大事故が相次いでいるオスプレイを、陸上自衛隊は2018年度から順次導入する予定だ(佐賀空港に配備計画)。千葉県の木更津駐屯地が日米オスプレイの定期整備拠点になるという。日米両政府は住民の安全・生命を全く軽視しているということだ。

 今年の流行語になぞらえて言えば「オスプレイ落ちた。日本死ね」。そんな事態はご免である。 (O)

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