2017年01月27日 1462号

【フィリピン・マニラ/戦争と貧困をなくそうと市民が連帯/アジア非核フォーラム、ピースキャンプ開く】

 2017年戦争と貧困に反対するアジア非核フォーラムとピースキャンプが1月7〜8日、マニラ首都圏郊外で開催された。日本からは、フィリピンAKAYプロジェクトをともに創る会をはじめ17人が参加。ABAKADA(マニラにある貧困地区の子どもを対象にした就学前教育施設)の親子約100人とともに、充実した2日間を過ごした。

市民の声で/政治の行方を

 フォーラムはキャンプ場で開催され、ABAKADAの親たち約50人が参加した。

 フィリピン側から、ローランド・シンブランフィリピン大学教授がバンコク条約(東南アジア非核兵器条約)を基にアジア太平洋地域での非核地帯化を提起。平和女性パートナーズのメルシー・アンヘレスさんは、米国との軍事協定や、IMF(国際通貨基金)等とフィリピン歴代大統領との癒着が貧困を生んだ現実を明らかにした。メルシーさんは、昨年7月に就任したドゥテルテ大統領の金融・財政・貿易政策は前アキノ大統領の踏襲であるとし、コメの輸入枠制限撤廃等の弱小農民切り捨て政策を、「これでどうやって貧困から脱却できるのか」と批判した。

 日本側は、AKAYの足立夏彦さんが、アジア太平洋戦争での日本のフィリピン侵略、激戦地沖縄の住民被害問題と結び反基地平和運動を国際連帯で、と呼びかけた。全交の三橋英子さんは、日本の平和憲法、非核を明記したフィリピンの憲法を共に生かそうとアピール。「月桃の花」歌舞団の本田尚子さんは、福島も含め全国展開しているミュージカル『ガマ人間あらわる』公演活動を紹介し、真実を明らかにする取り組みの大切さを語った。報告者3人は映像を使って参加者に語りかけ、最後の『ダイレクト』の歌には拍手が起きた。

 ドゥテルテ評価は現地でも定まっていない。

 シンブラン教授は、モロ民族解放戦線・新人民軍との無期限停戦実現や、農業改革大臣・社会福祉開発大臣ら4閣僚への社会変革派起用、教育費・福祉費の充実、またアメリカとの新基地協定解消の方向など政権の展望を述べた。一方、日本の参加者から「法律に基づかないで、麻薬所持容疑だけで人を殺すという点についてはどうか? フィリピンには死刑もなかったはずだ」と質問が出されると、メルシーさんは「その通りだ」。死刑の復活や刑法適用の18歳以上から9歳以上への変更、戒厳令の復活など政権に対する懸念を述べ、「市民が二度と独裁は許さない姿勢を示していく」と語った。

 ABAKADA代表のポール・ガランさんは、子ども、若者、親、市民に真実を知らせたいと平和教育・活動を日々実践している。市民の声で政治の行方を示すべきことを再確認したフォーラムだった。また、国際連帯で平和実現の取り組みをと、昨年の2000万人署名に続き、今年も「沖縄基地押し付け撤回全国統一署名」の協力を提起した。

(AKAYプロジェクトをともに創る会・中條千尋)

日比共同で/キャンプ成功

 アドベンチャーパラダイスでピースキャンプが開催されました。

 私は3年続けて子ども全交指導員の娘と参加。今年は、プログラム内容を日本側で学生指導員とともに作成し提案。当日、日比の共同プログラムでキャンプを実施できました。

 昼のキャンプ活動では、二人三脚リレーや紙飛行機飛ばし、一緒に踊る「花風歌」エイサーなどをジョナルド先生、エステリータ先生と学生の倫(りん)指導員ですべて進行。

 夜はキャンプファイヤー。1部では、初参加のSwing MASAさんのサックスとチャンゴとの見事なコラボ。キーボード奏者知里さんも温かい素晴らしい演奏を披露してくれました。2部では、ペットボトルを代用したローソクダンスや「沖縄ラティーナ」など全員の参加でキャンプファイヤーを盛り上げることができました。3年越しにコラボキャンプを実現させた倫指導員をはじめ皆の表情に達成感がみなぎっていました。

 5年生の由々さんは「エイサーに一層の自信が持てた」。大学生で三線の芙由子さんは、解放された笑顔で子どもたちの遊びを指導。進学、就職などで若者たちが生きづらい閉塞感のある日本の競争社会で、自らの表現方法を持つことが生きる力に繋がると実感できた取り組みとなりました。

(関東子ども全交・漆山幸江)



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