2017年02月10日 1464号

【1465号主張 海を破壊するブロック投入糾弾 辺野古海上工事を中止せよ】

「辺野古が唯一」と強行

 安倍政権は2月6日、1年近く休止していた沖縄・辺野古での新基地建設海上工事再開を強行。大浦湾の貴重な環境を破壊する巨大コンクリートブロック投下に動き出した。

 通常国会冒頭の安倍の施政方針演説からは、昨年の演説には盛り込まれていた「沖縄県民の理解、対話」の言葉すら消えた。3月に期限が切れる岩礁破砕許可も再申請しない。あらゆる法的手続きを無視し、県民の「理解」など得ようともせずに辺野古新基地建設を強行する姿勢の表れだ。

 安倍は、トランプ新政権成立後、来日したマティス米国防長官と会談。普天間基地の辺野古「移設」が唯一の解決策とする認識で一致した。「辺野古が唯一」の表現は、米国防予算の枠を定める国防権限法(2015年10月)からも消えていたものだ。安倍―マティス会談は時計の針を1年半以前に戻し、沖縄県民の意思を踏みにじった。

オスプレイ全国に展開

 12月に墜落事故を起こしたばかりのオスプレイが1月28日、イエメンでの奇襲作戦中に再び墜落、米軍自ら破壊したと報じられた。これほど危険なオスプレイに安倍は異常に執着している。2月1日、初の定期整備拠点となった陸上自衛隊木更津駐屯地には、米軍普天間基地所属の24機に加え、今後自衛隊に導入される17機も飛来する。沖縄県民を危険にさらしているオスプレイは、今後日本全国を飛び回り、脅威を拡大する。

 オスプレイ配備は歴代政権の懸案でもあった。普天間返還を明記した1996年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告の合意直前、米側はオスプレイの危険性を認識し内部資料も作成していたが、日本側の要請で危険性に関する記述が削除されていた。我部政明琉球大教授がまとめた米側資料が明らかにした事実だ(1/29毎日)。

 市民に危険性を隠してまで、政府がオスプレイ配備を強行する。高江オスプレイパッド建設強行に続く辺野古新基地建設。さらに奄美大島、八重山諸島と連なる南西諸島大軍拡を通じて、安倍はアジアを照準にした戦争体制作りを完成させようとしている。

真実見抜き基地止める

 沖縄では、新基地建設にかかわっては、国家権力を縛り市民の権利を守る憲法も法律も事実上適用されていない。安倍の狙いは、沖縄の憲法停止状況を日本全国に拡大すること、すなわち改憲にある。この狙いを見抜き、全国から闘うことが重要だ。

 海上工事強行に対し2月6日、辺野古キャンプ・シュワブゲート前には、早朝から250人の市民が工事着手阻止の緊急行動を展開。駆けつけた稲嶺進名護市長は「絶対あきらめない」とアピールした。翁長雄志(おながたけし)知事も「(辺野古が唯一≠フ確認で)辺野古阻止への決意はかえって強くなった」(2/5)とあらゆる手段で新基地建設を阻止する決意を表明している。

 沖縄県民の不屈の闘いに連帯しよう。全国の地域からオスプレイ・改憲阻止署名を広げ、新基地建設反対の民意を安倍政権に突きつけよう。1%のグローバル資本の利益のために戦争、差別、排外主義をまき散らすトランプと安倍を、沖縄連帯の闘いで打倒しよう。

  (2月6日)
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