2017年03月17日 1469号

【1469号主張 戦争路線が生んだ森友問題 安倍政権を追い込もう】

改憲めざす安倍と森友

 3月5日、安倍・自民党は党大会で総裁任期を3期9年に延長することを決定した。これにより2021年9月までの長期政権が可能となった。任期中の改憲を悲願とする安倍は「新しい憲法の姿を形作り憲法改正に向けた道筋を国民に鮮明に示す」「憲法改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」(運動方針)と、改憲に着手する意思をあらわにしている。

 改憲し戦争国家とするために不可欠なのは教育だ。政権の意に忠実に「愛国」教育・ヘイト思想を子どもたちに刷り込む。森友学園が「安倍晋三小学校」(瑞穂の國小學院)で行おうとした洗脳教育はその先駆けだった。そうした教育だからこそ、総理夫人が名誉校長に名を連ねた。

 わきおこる批判に、今は籠池理事長一人の問題として責任回避を図るが、安倍は「私の考え方に非常に共鳴している」と教育方針を評し、昭恵夫人も「日本人としての誇りを持つ芯の通った子どもを育てる」と賞賛していた。一国の首相夫妻が教育勅語賛美の教育を誉めそやす。「安倍小学校」は、子どもの人権意識を破壊し、国家のために命を差し出す価値観を注入する洗脳装置に他ならない。

 文科省は、保育所運営指針に「国旗・国歌に親しむ」ことを初めて明記した。幼稚園にも同様に強要する。森友学園を先進例に、安倍は排外主義・「愛国」教育の全国展開を展望しているのだ。

 排外主義教育、国有地の不当払い下げ、政治家の口利き、権力の私物化。安倍の戦争・腐敗政治の本質が現れたのが森友問題だ。籠池叩きだけで幕引きさせてはならない。

民衆の口封じる共謀罪

 改憲と戦争の下地作りへ安倍が成立を急ぐのが共謀罪法案だ。3月10日閣議決定は先送りされたが、翌週にも決定、国会提出が狙われている。

 共謀罪は、「犯罪を実行する意思」―内心を捜査・処罰の対象とし、捜査機関は日頃から市民を監視。実行に及ばずとも「2人以上で計画」により成立し、「準備行為」で処罰できる。また、密告を奨励し、相互監視を誘導する。

 重大なのは、何が犯罪かは権力の恣意的な捜査にゆだねられる点だ。すでに「白タク(バス)行為」の名で反原発や米軍基地抗議の行動に参加した市民の逮捕や家宅捜査強行の例がある。沖縄では反基地リーダーの山城博治さんが不当に長期勾留されたままだ。今安倍政治に抗議する市民を抑圧し、すべての市民を萎縮させてものを言えなくする。

 共謀罪は戦前の治安弾圧政治の再現をもたらす。それが安倍の言う「次の70年を見据え、新たな国づくりに取りかかる」決意の中身である。

安倍政権に退陣要求

 森友問題をきっかけに安倍退陣を突きつける国会前「森友10万人デモ」も呼びかけられた。共謀罪NO!実行委などは国会提出阻止を訴え、連日の行動を配置。市民・野党共闘で安倍を包囲しようと緊急の取り組みを提起している。

 安倍を揺るがし、世論を変える鍵は市民の運動だ。オスプレイ・改憲阻止署名、共謀罪阻止の緊急署名を手に、安倍戦争腐敗政治への怒りを地域の隅々に広げよう。共謀罪国会提出阻止の緊急行動、ファクスに取り組み、安倍を追い込もう。

  (3月6日)
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