2017年03月24日 1470号

【東電は原発事故の責任をとれ 6年目の3・11 避難者切り捨てに抗議 再稼働も日印原子力協定も止めよう】

 東日本大震災・福島原発事故から6年の3月11日、東京電力前や国会前で原発再稼働・輸出、避難者切り捨てに抗議する行動が相次いで取り組まれた。

 午後2時、経産省前テントひろばとたんぽぽ舎が呼びかけ、東電株主代表訴訟やピースボート、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)など126団体の賛同を得て毎月重ねられてきた「東電本店合同抗議」の第42回が始まる。

 テントひろば代表の淵上太郎さんが「避難者への住宅補償を打ち切り、ふるさとへ帰す政策を強行している。福島では放射能のほ≠フ字も話せない。こういう社会的雰囲気を東電や政府・行政がつくっていることを大きく暴露しなければならない」と口火を切った。

 1分間の黙祷(とう)と和太鼓の響きに乗せた「東電は謝れ」「東電は償え」のコールに続き、いわき市出身の講談師、神田香織さんがマイクをとる。「『忠臣蔵』の四十七士は責任をとって全員切腹した。ところが、この原発事故では最も責任ある立場の人が誰一人責任とってないし、腹も切ってない。ノーベル文学賞をとった(ベラルーシの作家)アレクシエーヴィッチさんは福島に来て『日本には抵抗の文化がないのか』と言った。私たちは戦争と弱肉強食の文化に対し抵抗の文化を打ち立てていこう。あきれ果ててもあきらめないぞー」

甲状腺がんは185人に

 避難当事者が発言する。避難の協同センター代表世話人で郡山市から川崎市に避難している松本徳子さんは「なぜ私がここに立たなくてはいけないのか。本当に悲しい。被曝を避けるために避難したのに4月から行くあてのない、つらい思いをしている方たちがまだたくさんいる」。双葉町から都内に避難した亀屋幸子さんは「6年前、段ボール拾ってきて新聞敷いて何とか過ごした。こんな苦しみを、再稼動して、二度と誰にも味わわせたくない。子どもの甲状腺がんは185人。これが一番悔しい」と訴えた。

 午後5時、国会正門前では「福島・祈りを超えて/新たなる未来・エネルギー政策の転換を求めて」を掲げた首都圏反原発連合の抗議行動。

 4野党の代表が顔をそろえた。社民党副党首の福島みずほ参院議員は「福島原発事故は人災。東京地裁で東電の勝俣さん、武藤さん、武黒さんを被告とする刑事裁判が始まる。高い津波が来ることへの予見可能性と結果回避可能性が東電にはあったとする検察審査会の議決に基づくもの。原発事故の被害を引き起こした人たちに責任をとらせよう」とアピール。

 日印原子力協定国会承認反対キャンペーン世話人の福永正明さんは「昨年11月11日、日本とインドは原子力協定を結んだ。これにより原発やさまざまな技術が輸出されることになる。東芝・三菱・日立の3社が日本では不可能になった原発建設をインドで進めようとしている。協定承認案は2月24日、国会に提出された。今こそ、日本はインドにも世界のどこにも原発を売るな、と力強く声を上げよう」と呼びかけた。







さよなら原発 関西アクション写真キャプション

 3月12日、大阪市内では「さよなら原発 関西アクション」が開かれた。福島の酪農家・長谷川健一さんが年20ミリシーベルトの被ばく基準による一方的な避難指示解除が狙われる飯舘村の現状を報告。河合弘之弁護士が「仮処分の闘いを広げて再稼働を止めよう」と呼びかけた。約1千人の参加者は「再稼働やめて」「核燃サイクル中止」を訴えて御堂筋をデモ行進を行った。

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