2017年03月31日 1471号

【共謀罪閣議決定糾弾/3・27ZENKO中央行動へ/「共謀罪は現代の治安維持法」/3.16弁護士・市民300人が国会デモ】

 社会文化法律センターや自由法曹団、日本国際法律家協会、日本労働弁護団など法律家6団体で2月に結成された「共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会」は3月16日、国会請願デモを行い、弁護士や市民ら300人が色とりどりののぼり旗をなびかせながら霞が関一帯を歩いた。

 デモに先立って共謀罪NO!実行委員会の海渡雄一弁護士が「ふつうは法案が国会に出てから反対運動が起こるが、今回は法案が出される前にこれだけ反対の声をつくり上げ、世論調査でも反対が賛成を上回った。『テロ対策』はウソで、政権に盾突く者を一網打尽にする意図があることは明確。森友疑惑、加計疑惑というスキャンダルも爆発している。勝利できる条件が整ってきた。共謀罪は必ず止められる」と檄を飛ばす。

 連絡会事務局の米倉洋子弁護士は「きのう日本反核法律家協会が加わり、7団体になった。法案には、テロともマフィアとも全く関係のない普通の市民、普通の企業に身近な犯罪がずらっと並んでいる。その計画をした、準備行為をしたと当局が認定すれば逮捕も捜索も処罰もできる。広く網をかけて、取り締まりたい時に取り締まりたい人・団体を取り締まれるようにするもの。まさに現代の治安維持法だ」と強調した。

 デモ行進では、「言論封じ許さない」「テロ対策とウソつくな」「心の中をのぞくな」「メールを見るな」「LINE(ライン)を見るな」「密告社会絶対反対」とコールした。



自治体から共謀罪反対意見書

 全国の自治体議会でも共謀罪反対の意見書が上がり始めた。京都府向日(むこう)市議会は3月16日、以下の意見書を採択した。要旨を紹介する。

「共謀罪」創設を行わないことを求める意見書(要旨)

 政府は「テロ等組織犯罪準備罪」という口実で、実際に犯罪行為がなくても、話し合いや相談、計画をしただけで犯罪とみなす「共謀罪」を創設しようとしている。どのような相談や計画が犯罪になるかは、捜査機関の裁量にゆだねられ、国民の思想や内心まで処罰の対象とする違憲立法である。「共謀罪」によって捜査機関による市民生活全体への監視・盗聴が横行する。

 政府はテロ対策のために必要と言うが、日本はテロ対策の国際条約をすべて締結しており、国内法も整備されている。新たな立法の必要はない。あらためて「共謀罪」を創設することは、秘密保護法、安保法制=戦争法をはじめ、安倍政権による「戦争する国づくり」をさらに進めるためのものと言わざるを得ない。

 「共謀罪」の新設は、共謀の疑いを理由とする早期からの捜査を可能にする。およそ犯罪とは考えられない行為までが捜査の対象とされ、集まって話しているだけで容疑者とされてしまう恐れもある。これは人の心の中に手を突っこみ、憲法で絶対的に保障されている「思想信条の自由」を侵害するものに他ならない。

 さらに金田勝年法相が法案提出後まで具体的な国会論戦を避けるよう求める文書を作らせ報道機関に配布したことは、国会軽視と言論・報道の自由への不当な圧力であり、この問題を放置して法案提出を行うことは許されない。

 以上の趣旨にたって、次のことを強く求める。

 記

1 「共謀罪」の創設を行わないこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 3月16日 京都府向日市議会
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