2017年04月07日 1472号

【なかまユニオンが韓国訪問 青年ユニオン、希望連帯労組と交流 最賃引上げで共同行動へ 7月全交にも参加を予定】

 3月19日、20日と韓国を訪問し、青年ユニオン、希望連帯労組とそれぞれ意見交換を行いました。毎年、青年ユニオンの定期大会後のこの時期に、全交への招請も兼ねて日韓交流の企画を相談しています。今年は、毎週のろうそく集会で朴槿恵(パククネ)退陣を勝ち取ってから初めての交流。青年ユニオンとは6年目、希望連帯労組とは3年目の交流となります。両労組とも以前にも増して、日韓交流を重視していると感じました。学ぶところの多い交流でした。

「青年ユニオンの憲法」

 3月19日、引っ越したばかりの青年ユニオンの事務所を尋ねると、キム・ミンス委員長、ハン・ジヘ京畿支部長、イ・ギオン事務局長が出迎えてくれました。日本から、首都圏なかまユニオンの新日鉄住金ソリューションズセクハラ争議当該組合員、なかまユニオン・ビタミンU(若者支部)が参加。会議では、まず両なかまユニオンの取り組み報告やセクハラ争議当事者から支援の訴えを行いました。

 青年ユニオンの近況として、「平等・尊重・拡大のための共同体約束文」を2月の大会で採択した報告がありました。2010年の結成以来、毎年組合員が増え続け、現在は組合員数1270、後援会員数604計1874名、7地域と青少年の8支部へと発展している中で、青年ユニオンの組織的目標や活動基準を10項目にまとめたものです。「青年ユニオンの憲法です」と事務局長が胸を張っていたのが印象的でした。

 2017年の主要計画として、5〜6月には、最低賃金を1万ウォン(約1千円)に引き上げ、守らせる取り組みをする。5月9日の大統領選挙に向け青年の参加を向上させ、若者労働の問題を中央政府に提案する。2018年地方選挙に青年ユニオンの各支部が取り組み、ソウル市「若者手当」のような制度を他の地方自治体にも拡散させる準備を今年後半から開始する―と紹介されました。

 今年の全交については、(1)最低賃金引き上げ(2)セクハラ・パワハラを共通議題に取り上げ、全交までにできる共同の取り組みを具体化しようと提案がありました。例えば、「ハラスメントがなくならない中では、労働の改善はない」とキャッチフレーズを決めて情報共有したらどうかなど。会議の結論として、最低賃金の取り組みや各争議でできる共同行動をさらに検討することになりました。

 キム・ミンス委員長の任期は来年2月で終了するので、次の役員にも交流を引き継げるよう考えているとのことでした。

新たに日本担当を

 3月20日の希望連帯労組との交流会には、キム・ジンギュ委員長、ソ・ドンウン書記長以下12名の組合員が参加しました。結成8年目で9支部2800名の組合員がいるとのこと。希望連帯労組とは何回も交流していますが、委員長・書記長が出てくるのは、実は初めて。また、日本に何度も来たノ・ヨンスさんら2名を新たに日本担当に任命し、その力の入れようがよくわかります。

 希望連帯労組は、国内ではケーブルテレビを中心とした非正規労働者の組織化に果敢に取り組む一方、反グローバリゼーションの立場で国際連帯活動を追求しています。移住労働者の国際連帯を進めていくために、2018年3月バングラデシュ、フィリピン、ネパール、韓国等を結んでシンポを準備中。

 交流会では、(1)全交や団結まつりの前後に「連帯交流旅行」のような取り組みを行い交流をさらに広げられないか、(2)ソウル城北地域は平和運動など地域運動が盛んだが、日本のどこかの地域との地域間交流が行えないか―などの提案がありました。また、新日鉄住金ソリューションズに声明文を送るなど、今後の運動の進展に即した支援が表明されました。

 日韓労働者の連帯活動は、最低賃金引き上げ、均等待遇の実現、若者非正規労働者の組織化、ハラスメントの撲滅、争議支援等、日韓共通の課題について定期的交流や日常的情報共有、共同行動に取り組む新たな段階に入ったと実感した今回の訪問でした。

(なかまユニオン執行委員長・井手窪啓一)



 
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