2017年04月14日 1473号

【1473号主張 戦争と排外主義が生んだ森友問題 戦争国家作りの安倍打倒】

幕引きは許さない

 安倍政権は、森友問題について籠池理事長の証人喚問で早期幕引きを狙っていた。しかし喚問では、当時名誉校長だった安倍昭恵側が国有地問題をめぐって籠池にファクス回答していたなど新たな証言が飛び出し、「安倍晋三からの100万円寄付」も含め疑惑はさらに拡大した。

 安倍首相は「妻が関与したことには全くならない。忖度(そんたく)していないことは明らか」(3/24参院予算委)と答弁。だが、野党が提出を求めた国有地売却問題の交渉経緯や大阪府私学審議会議事録など26件の資料について、政府は「廃棄」などを理由に拒否し、応じたのはわずか4件だ。

 各紙世論調査でも「政府説明に納得できない」との回答は軒並み7〜8割に達する。「(関与があれば)首相も国会議員も辞める」とまで公言した安倍が、真相究明に背を向け、籠池側に全責任を押し付けて幕引きすることなど決して許されない。

本質は安倍の戦争国家作り

 森友学園塚本幼稚園では、園児たちに毎日『教育勅語』を唱和、軍歌を歌わせ、自衛隊の式典にも参加させるなどの洗脳教育が行われてきた。運動会で「日本を悪者として扱っている中国・韓国が心を改め歴史で嘘を教えないようお願いいたします。安倍首相がんばれ」と選手宣誓する園児らの映像は衝撃的だった。この排外主義に満ちた「教育」を、安倍は「籠池先生の教育に対する熱意は素晴らしい」と称賛してきた。

 3月31日安倍内閣は、戦後国会で排除・失効を決議した『教育勅語』について「教材として用いることを否定せず」との答弁書を閣議決定。また安倍肝いりの教育再生会議を受け、2018年度から「道徳」が小学校で評価を伴う正式教科とされる。教科書検定では、愛国心教育を理由に「パン屋」の記述を「和菓子屋」に改めさせるなど冗談のような修正が強要された。

 安倍政権は憲法を破壊し、あらゆる分野から戦争遂行を可能とする国づくりを進めてきた。5兆1千億円もの大軍事費や沖縄新基地建設、南西諸島自衛隊配備拡大という軍備増強とともに、「国家安全保障会議設置法」「特定秘密保護法」「盗聴法改悪」「戦争法」など戦争遂行に不可欠な立法を強行してきた。

 しかし、実際に戦争を実行する=人を殺すためには、それを抵抗なく肯定する人間をつくる教育を必要とする。排外主義と「愛国心」で子どもを洗脳し、「国家のために命を差し出せ」と教え込む。森友学園を先駆けとして全国に広げることは、安倍の強い願望だ。だから、共感する維新・松井大阪府知事と一体で、大阪府私立学校審議会での森友学園小学校認可も異常なスピードで進められたのだ。

共謀罪もろとも安倍退陣へ

 安倍政権は、新自由主義の徹底でさらなる格差と貧困を市民に押し付け、グローバル資本の利益を追求する政権だ。全分野に広がる市民の怒りの声を、排外主義と戦争路線で乗り切り、政権に対する批判と運動を弾圧・萎縮させるために共謀罪法案の成立を狙う。

 森友問題、共謀罪もろとも安倍退陣を迫ろう。ZENKOの「安倍即時退陣要求署名」運動が開始された。共謀罪反対署名とともに地域に大きく広げよう。

  (4月1日)
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