2017年05月19日 1477号

【1477号主張 安倍改憲のための共謀罪 共謀罪法案は廃案だ】

安倍改憲宣言許すな

 「東京五輪が開催される2020年を日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだ。20年を『新しい憲法』が施行される年にしたい」

 憲法施行70年の節目に、安倍首相は改憲の目標期限を初めて明言した。しかも「私の世代は自衛隊を『合憲化』することが使命」と本丸の9条改憲に突き進むことを宣言し、「(9条の)1項、2項をそのまま残し、自衛隊の存在を記述することを議論してもらいたい」と条文構成まで提示。自衛隊の国防軍化を明記した自民党改憲草案の論調は抑え、何としても9条改憲を成し遂げる執念をあらわにした。

 そのために、「教育無償化」を改憲項目に掲げる日本維新の会の抱き込みを図り「維新の積極的な提案を歓迎する」と持ち上げる。「国民的議論を深め、憲法改正を進めるべき」(松井代表)とする維新も安倍の改憲案を歓迎。公明党も「自衛隊は使命や責任感を負って活動している。(憲法に)きちんと明記していく考えは十分理解できる」(北側副代表)と追随する。

 安倍単独インタビューを掲載した読売新聞は「自公維で3年後の改正目指せ」と改憲への世論誘導に躍起だ。

 自衛隊は戦力不保持、交戦権否認の9条に明確に違反する。合憲化=さらなる大軍拡と侵略軍化、武力行使への道を決して許してはならない。

共謀罪強行採決阻止

 安倍の宣言で、共謀罪法案の狙いが戦争と改憲にあることがいっそう明らかとなった。安倍は、新基地建設、戦争法、自衛隊強化などと並んで9条改憲を軍国化政策に位置づけ、反対運動を共謀罪で抑え込み、戦争体制を敷こうとしている。5月12日にも衆院法務委員会での強行採決をもくろみ、審議がずれ込んだ場合には国会会期(6月18日)の延長をも検討するという。

 安倍がここまで今国会での共謀罪法成立に執着する背景に、2020年改憲施行のもくろみがある。国会内では改憲勢力が3分の2を占めるとはいえ、世論も9条改憲反対の声は多数だ。改憲阻止の市民の運動を抑え込むために、安倍は市民の監視を合法化する共謀罪を欲している。

 共謀罪は審議を重ねるほどに、政府の「テロ対策」「一般市民は対象外」のデマが掘り崩される。すべての市民を監視する共謀罪の本質が暴かれる前に強行突破しようと、安倍・自民党は強権的な国会運営を強めている。鈴木法務委員長は委員会ルールも破って法務省刑事局長を政府参考人として出席させ、委員会開催も職権で強行した。

 法案の中身も審議過程も民主主義破壊だ。共謀罪法案は廃案以外に選択肢はない。

改憲阻止、安倍打倒へ共に

 今こそ改憲阻止と結んで、共謀罪法案廃案、安倍打倒の闘いに立ち上がるときだ。5月3日憲法集会には過去最多の5万5千人が参加した。国会前では連日、共謀罪法案廃案の行動が続く。地域の隅々まで共謀罪廃案、安倍退陣の署名を届け、改憲ノーの声を広げよう。自衛隊配備阻止に奮闘する沖縄・南西諸島の市民と連帯し、9条改憲を阻み自衛隊縮小・解体を求めよう。新基地建設阻止、自衛隊配備阻止、共謀罪廃案へ自治体議会への請願・陳情を強めよう。この闘いが安倍打倒の展望をつくり出す。

  (5月7日)
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