2018年03月02日 1516号

【フィリピン ABAKADA30周年ピースフェスタ アジアを戦場にしない連帯築く】

 フィリピン・マニラ首都圏の貧困地域に、音楽家ポール・ガランさんの母、フロールデリサ・ガランさんが就学前施設ABAKADA(アバカダ)を創設して今年で30年。2月9〜10日、マラボン市デラサール アラネタ大学でABAKADA30周年ピースフェスタが開かれた。支援を続けてきたAKAY(アカイ)日本からは28人が参加し、MAPALAD KA(マパラドカ)(戦争と貧困に反対する市民運動)、非核フィリピン、戦争ストップ連合フィリピン、ピースウイメンパートナーズなどとの共同開催となった。参加者に報告を寄せてもらった。

フィリピンの人びとに届いた9条改憲反対の訴え

 2月10日のピースフォーラムは、参加者が全体で約120人。デラサール大学、フィリピン大学の学生を中心にABAKADAの保護者たち、地域の活動家、平和運動家等、多彩な人が参加して成功した。

 日本側からの基調報告では、安倍政権によるフィリピン・ドゥテルテ政権への軍事支援の危険性と軍拡路線、憲法改悪の策動について報告した。基調講演でフィリピン大学ローランド・シンブラン教授が「マルコス政権の20年間で経験した独裁政治をドゥテルテのもとで繰り返させてはならない」と若い世代に呼びかけていたのが印象的。フィリピンの反核平和活動家は、広島、長崎、福島の経験を踏まえて世界の核兵器、原発を廃絶していく闘いを語り、また、ドゥテルテが戒厳令を布(し)くミンダナオの人びとの人権と平和を守る草の根運動などが映像を交えて報告された。

 日本の参加者からは、イラクの子どもたちのビデオ上映、福島からの避難者の訴え、フィリピンの子どもたちの健康調査についての報告などプレゼンテーションが続いた。

 私は、沖縄の米軍基地、韓国のTHAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備反対運動、平和憲法を守っていく闘いについて伝えた。沖縄戦や基地の被害について述べると、フィリピン人も全く同じ経験をしてきただけに熱心に耳を傾けてもらえた。「侵略戦争の反省と自らの戦争被害から、日本が決して再び戦争しないように政府を縛っている平和憲法。それを守るため闘っている」と語ると共感を持って受け止められた。タガログ語や映像を活用し、若い人たちにも平和と人権を守る闘いの意義を伝えることができたと思う。

 核廃絶、アジアを戦場にしない論点がリレーされて「憲法9条改悪反対」はフォーラム全体決議に入り、核廃絶署名も79筆集めることができた。フィリピン、韓国、日本本土、沖縄、アジアの人びとの連帯を改めて確認できた。

(AKAY日本・足立夏彦)




絵画やエイサーでABAKADAの子らと「つながる」

 私は日本とフィリピンで行う交流企画に参加して4年目になる。今年は絵画と遊び、文化交流を通してABAKADAの子どもたちと心を通わせた。

 絵画では「つながる」をテーマにグループに分かれ絵を描いた。事前にAKAY側が用意した下絵を、子どもたちが絵の具を塗った自分の手形を押し付け彩(いろど)っていく。マサ&ネットバンド、阿部ひろ江さんの演奏が流れる中で、「花が咲いた木」「羽ばたく鳥」「ハート」「虹」が彩り豊かに仕上がった。子どもたちが付けた手形が繋がる様にして一つの絵が完成されたので素晴らしい企画になった。

 私は毎年文化交流でエイサーを踊ってきた。ここ2、3年は、関東子ども全交(子全)の卒業生や現役小学生とともに参加してきた。今回も子全のMちゃん(小6)とエイサーを披露。ABAKADAの子どもたちとの共演ができ、彼女にとってもフィリピンの人たちと一体感を味わえる体験になったと思う。

 この交流の楽しさや意義を関東子全の子どもたちにも伝え、次の参加につなげたい。

(関東子ども全交・漆山倫)



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