2018年03月02日 1516号

【ドクター インフルエンザ報道が隠すものは】

 今年のインフルエンザ報道の裏に隠されている重大なことを2つお伝えします。

 まず、ワクチンです。日本のワクチンは効いたという科学的証拠が全くなく、世界的ワクチンもたいした効果はありません。

 これまでワクチン企業ご用達の専門家たちは「効く」の大合唱でした。ところが、その専門家たちでさえ昨年と今年は効かないと考えていたのです。

 実は、昨年度のワクチンは製造過程で効果のないものになってしまったのです。そこで、今年度のワクチンは少しは効きそうな方法に代えようとしたのですが、これでは生産性がとても悪く目標のワクチンの量が作れないことがわかりました。そこで、製薬企業と国は、効果がないが生産性が高く企業が儲かるという昨年と同じ生産方法で生産することにしたのです。

 このことは医療界では公然の秘密です。日経メディカルという薬の宣伝中心の雑誌でさえ「ワクチン頼りにせず早期対策を」と言い出す始末です。こんな詐欺的なワクチンの接種に、公費も含め毎年約2千億円が支払われているのです。

 おまけに、日経メディカル誌は、ワクチンの代わりにタミフルなどの抗インフルエンザ薬を症状がない時から予防的に使用する方法を勧めています。これをマスコミで知ったのか、あるお母さんに予防的使用を頼まれました。しかし、タミフルの予防使用では、33人に使ってたった1人のインフルエンザ症状を防ぐだけです。逆に、33人に1人の頭痛、25人に1人の吐き気などの副作用がでます。

 もう一つのビッグニュースは昨年6月にWHO(世界保健機関)が『エッセンシャルドラッグ』という出版物で、抗インフルエンザ薬の使用は入院中の重症者に限定し、普通のインフルエンザ患者には使わないとしたことです。

 2009年に私が臨床医学の世界的権威「コクラン」に、タミフルなどが本当は効かないことを示すメールを送りました。コクランは私の指摘に対応するために、医師やマスコミなどの支援を受け、巨大製薬企業のロシュとGSKに本当のデータを公開させる闘いを挑み、勝利しました。その結果、2014年には、肺炎や入院を防げず効果がないことを徹底的に証明しました。同年、私たちの指摘もあり、日本小児科学会も普通のインフルエンザには抗インフルエンザ薬を勧めないと表明し、とうとう昨年にはWHOもそれを認めたわけです。最後に、日本で最も使われている第一三共製造販売の「イナビル」はアメリカで無効が証明され、海外では売られていません。

 みなさん、今後インフルエンザワクチンと抗インフルエンザ薬を断ることも、「1%」との闘いの一環ではないでしょうか。

     (筆者は小児科医)
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