2018年05月18日 1526号

【1526号主張 平和に逆行する安倍は退場せよ/歴史的板門店宣言を歓迎する】

平和協定へ歴史的前進

 4月27日、歴史が作られた。世界が注視する中、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の金正恩(キムジョンウン)国務委員長は手を取り合い、軍事境界線を越え両国を行き交った。戦争状態の年内終結から平和協定の締結、朝鮮半島の非核化などを合意した板門店(パンムンジョム)宣言が発表された。画期的であり、世界の民衆とともに大きな喜びとして受け止める。

 2016年のトランプ米大統領就任以降、東アジアの軍事緊張は激化の一途をたどった。2017年、正義に火をともす韓国民衆は、朴槿恵(パククネ)に代表された腐敗政治を弾劾、大統領罷免、訴追まで実現し、2018年を東アジア情勢の劇的転換の年とした。

 文在寅大統領は「私はキャンドル革命が誕生させた大統領」と述べる。東アジアの緊張緩和へと圧力≠かけ対話路線をとらせてきたのは、韓国の平和運動でありキャンドル革命に集った多数の民衆の力だ。

 緊張緩和は一歩一歩前進している。朝鮮核実験場の5月中閉鎖、朝鮮に拘束されている米国人3人の解放。また、米高官は在韓米軍に関して朝鮮戦争をめぐる平和協定が締結されれば現在の規模は必要がなくなることに言及した。圧力一辺倒では作り出せなかった変化であり前進だ。

 東アジアの平和の流れは次のステップとして米朝首脳会談へと進み、揺るぎのない平和の実現を可能とするところにまで来た。

対話拒否する異様さ

 世界が平和への転換に感動し、トランプ大統領すら「歴史的会談」「勇気づけられた」と語った。安倍首相は「核を放棄するまで圧力・制裁強化を」といまだ圧力に執着し、世界でひとり置き去りにされている。「朝鮮の脅威」を「国難」と騒ぎ選挙に利用しただけで、「対話のための対話は必要ない」と外交の門戸は閉ざし続ける。朝鮮労働党機関紙・労働新聞から「(朝日対話は)1億年後も無理」とまで言われる始末だ。

 「非核化の道筋が示されず不十分」ばかりを叫びたてるメディアも安倍の世界的孤立をおおい隠す。平和の最大の敵は、徹底して対話に背を向ける安倍晋三に他ならない。

 南北分断の元凶は、アジア・太平洋戦争に行き着いた日本による朝鮮半島への侵略と植民地支配にある。日本政府は主体的な立場で外交の門戸を開き、植民地支配の清算・補償を果たさなければならない。拉致問題を政治利用せず、憲法9条の理念を発揮し、信頼醸成、日朝国交回復の中でこそ、その解決を図るべきだ。

日韓連帯で安倍を倒そう

 歴史を作るのは民衆だ。5月3日憲法集会には東京6万人、大阪2万人が集った。3000万署名は全国で1350万筆が積み上げられ、安倍による改憲を阻止するまで継続する決意が固められた。

 腐敗の極致と化した安倍政権。国会審議もなおごまかし続けて乗り切り、延命を図ろうとしている。全国の地域から安倍打倒の闘いを大きく広げなければならない。

 5月20日から韓国の平和運動家を招いたスピーキングツアーが始まる。朝鮮半島の平和を拓いた闘いの息吹をともにし、日韓市民の連帯で安倍内閣総辞職へ弾みをつけよう。改憲策動もろともアベ政治を葬り去ろう。

  (5月7日)
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