2018年05月18日 1526号

【5・3憲法集会に6万人 非暴力の抵抗が平和をつくる 3000万署名が中間発表 1350万筆を超える】

 5月3日、前夜からの雨があがり時折強風が舞う東京臨海防災公園。「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5・3憲法集会」に6万人が集った。「安倍9条改憲NO!全国統一署名」1350万筆突破と中間発表され、目標の3000万筆達成、安倍を倒す連休明けの連続した闘いへ力強く出発点を築いた。

 総がかり行動実行委員会の高田健さんが「極右改憲派の切り札・安倍政権は私たちの力で倒すしかない」と開会あいさつ。和光大学教授の竹信三恵子さんは「戦前は財政の7〜8割を軍事費が占め、民生に使うお金を圧迫した。戦争しない国は、子育て・介護支援、教育、貧困・格差の解決に税金を使える国。9条が幅広い裾野を持っていることを訴えよう」と呼びかける。

 室蘭工業大学准教授の清末(きよすえ)愛砂(あいさ)さんは「非暴力平和主義が本当の平和をもたらす。朝鮮半島・東アジアの平和構築へ歴史が大きく動いた。同じ日、沖縄・辺野古では対極的な出来事が起きていた。座り込む民衆を機動隊がゴボウ抜き。イスラエル占領下で戦車の前に立つパレスチナの女性の姿が重なる。尊厳は平和を生み出す力。それが奪われそうになったとき人は抵抗する」と非暴力の抵抗運動の意義を語った。

 沖縄・フクシマ・武器輸出・働き方改革などをテーマにトークが続く。沖縄平和運動センター議長・山城博治さんは「4月23日から1週間、連日500〜800名で辺野古に座り込んだ。けが人が続出し、5名が逮捕された。凶悪な安倍政権を倒そう」と怒りをこめた。

 東京朝鮮高校の生徒が登壇すると、会場は静まり返る。「高校無償化裁判で民族のアイデンティティを育む当たり前の権利を求めた。昨年9月13日、裁判長は何の説明もなく『棄却』。日本で朝鮮人として堂々と生きる権利をまたも否定された」。差別根絶への思いを託し、朝鮮の童謡『故郷の春』と沖縄の名曲『花』を熱唱。澄んだ歌声に涙をぬぐう参加者も少なくなかった。

 プラカードコンクールでは、「平和をめざす日野・八王子市民のつどい」制作の大紙芝居『最後の晩餐(あべさん)』など4点が入賞。集会後は2コースに分かれ、赤・青・黄3色のプラカードを高く掲げてパレードした。

憲法は生かされているのか/トークイベントで語り合う/ZENKO 出店・宣伝で奮闘

 サブステージでは、憲法にかかわるテーマをめぐって「自由に話そうトークイベント」が催された。

 「日本国憲法が果たして今沖縄に適用されているだろうか」と告発するのは、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さん。奨学金連絡会の伴幸生(さちお)さんは「若者の多くが借金漬けに。正社員の給料もこの20年で100万円下がった。憲法を変えなくても無償化はできる」と訴えた。

 全統一労働組合の坂本啓太さんは「福島原発の除染作業にベトナム人技能実習生が従事。縫製業では今も時給300円で働かされている」と、“技能実習”の名で労働者を労働者として受け入れない安倍政権のごまかしを批判した。

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 ZENKOは出店ブースの一つを担当。メンバー手作りのおにぎり200個は昼前に早くも完売となった。会場入り口で宣伝活動に就いたZENKOユースは3000万署名22筆を集め、日韓連帯スピーキングツアーのチケットも2枚販売した。

大阪 2万人が憲法こわすな "安倍ヤメロ"大横断幕も

 同日、大阪の「安倍9条改憲許さない」おおさか総がかり集会は2万人の「憲法こわすな!」のポテッカーで埋め尽くされた。集会宣言も連帯あいさつも、北東アジア非核化への前進、南北会談実現で平和の流れをつくり出している意義を繰り返し強調した。

 ママの会の5歳児の母親は、保健室で見える子どもの貧困から「一人ひとりが大切にされる社会を」と憲法実現を訴え、平和委員会の学生は「街頭若者アンケートで9条を変えるか?の問いに、変える1割、変えない6割と9条を守る声が圧倒的」と報告した。

 ZENKOのデモでは安倍ヤメロ¢蜑。断幕とともに新作『俺ら東京さ行ぐだ』の替え歌「♪記録もねぇ、記憶もねぇ」も披露され、街行く人びとの共感を呼んだ。







9000人が集まった兵庫憲法集会(5月3日・神戸)


雨の中、700人が「セクハラ政権によるセクハラ改憲NO!」と声を上げた「安倍9条改憲NO&守ろう憲法集会」(5月3日・札幌)
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