2018年05月18日 1526号

【「高プロ」阻止へ院内集会 過労死遺族が悲痛な訴え】

 与党は4月27日の衆院本会議で「働かせ方大改悪」一括法案の審議入りを強行した。働かせ放題の「高度プロフェッショナル制度」導入を阻止しようと同日、衆院第一議員会館で院内集会が開かれた。

 日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎幹事長が主催者あいさつ。「高プロは労働基準法の労働時間規制を全く受けない労働者をつくり出す」と批判し、「安倍内閣はさらに、『解雇自由特区』の再来を狙って“(労働者保護法規など)既存の規制にとらわれず革新的なビジネスモデルの実証を行う環境整備”のための『生産性革命法』を制定しようとしている」と注意喚起した。

 民進・共産・立憲民主・社民・希望各党の国会議員8人が参加。「厚生労働委員長は職権で連休さなかの5月2日の委員会審議を決めた。『働き方改革』法案は“首相案件”になっている」(共産党・高橋千鶴子衆院議員)と述べ、廃案への決意を表明した。

 労働組合から「トラック労働者はそもそも労働時間規制の適用除外で、毎年過労死ナンバーワン。高プロでみんなトラック労働者になる」(全日本建設運輸連帯労働組合)、過労死遺族から「小児科医の夫は高プロのような働き方で過労自殺した」(東京過労死を考える家族の会・中原のり子さん)「夫は中学校教師。時間外手当が全く出ない働かせ放題の中で過労死した」(神奈川過労死等を考える家族の会・工藤祥子さん)「午前3時まで働き、朝6時に出社。せめてインターバル規制があれば娘は死ななくてすんだ」(NHK記者だった佐戸未和さんの母恵美子さん)。悲痛な訴えが続いた。

 労働弁護団は5月22日、集会(18時半〜日比谷野外音楽堂)と国会デモを行う。
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