2018年06月01日 1528号

【ZENKO韓国ツアーに参加 反戦、反原発の闘いの現場に 安倍打倒、東アジアの平和築く連帯を】

 5月3〜6日、25人が韓国の反戦、反原発闘争の現場を訪れたZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)ツアー。参加した2人に貴重な連帯の経験を報告してもらった。

「脱原発の呼び水」「平和の星」 出会いで深まった日韓連帯

 韓国で「脱原発の呼び水」といわれる密陽(ミリャン)をへて慶州(キョンジュ)、そして「平和の星になった村」といわれる韶成里(ソソンリ)まで、韓国の反戦・脱原発運動の鋭い対決点になっている現場に直接ふれることができたことは本当に貴重な経験でした。現地の方々のお話から共通に感じたのは、自分たちだけの問題ではなく、韓国社会全体の問題として闘っている、ということでした。

 月城(ウォルソン)原発の目前にあるビーチの「開放的」な雰囲気から、韶成里での大量の警察官に囲まれての「威圧的」な雰囲気まで、様々な「異様さ」が日常になっている現地を歩きながら、数々の告発と訴えを聞きました。安倍政権が原発と戦争国家づくりをすすめていることが韓国の政策に影響している、と指摘される場面もありました。安倍の悪名は韓国にまで届き、安倍政権の打倒をめざす私たちのアピールは大きな拍手で迎えられました。

 韶成里の「ろうそく集会」会場にある「平和カレンダー」の5月19日の欄には「平和のための韓日連帯行動(訪日)〜28日」と書かれていました。ZENKO日韓連帯スピーキングツアーは、まさしく現地とつながっていると感じました。

 密陽ではピビンパ、韶成里では鳥肉スープの手作り料理が出されました。温かく迎えてくださったことに、私たちは応えないといけないと思いました。「日韓連帯」は心で思っているだけで実現するのではなく、出会う中で深まっていくことを感じるツアーでもありました。

 内容豊かなツアーのすべてをコーディネートしてくださり、さらにワゴン車の運転から朝食や夜の交流会まで細かく心を配ってくださった、代案文化連帯の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。ともに東アジアの平和をつくっていきたいと思います。

(ZENKO兵庫・松谷卓人)


日本の再稼働で韓国原発が動く 突きつけられたフクシマに応える

 ツアーの各地で「フクシマ」の言葉が聞かれた。「なぜ、日本の反原発運動が広まらないのか」との問いを突きつけつけられたように思えた。

 昨年、11月団結まつりの際に代案文化連帯のユ・ミヒさんから「日本が原発を動かしているから、韓国も動かしている」と聞いて、国際的な問題と責任を重く感じ、今回のツアーに参加した。

 ウォルソン原発は私たちから600bほど前にあった。重水炉なのでトリチウムの生成が多く、近くの海で生計をたてる海女にも住民にも甲状腺がんなどが多発。裁判を起こしている。軍事施設もあり「これ以上近寄るのは禁止」と立て看板があるが、すぐそばには釣り人も。家族連れがキヤンピングカーをとめ、子どもと楽しんでいる。政府が規制していないことに違和感、危機感を感じた。人びとにフクシマの写真を見せて、現状を知らせたいと思った。

 原発反対の方、送電線工事阻止抗議の焼身自殺をした方、ソソンリのサード配備に反対の方。住んでいるところは自然豊かなところが多い。出会ったのはごく普通の人たちだ。生活と命が踏みにじられたことで毅然と闘っている。

 圧倒的多数の警官に囲まれたソソンリの闘いはまさに沖縄の現場と同じ。共通するのは「勝つ方法はあきらめないこと」だ。夜のろうそく集会は歌やダンスもあり、ZENKOメンバーも発言し「座り込めここへ」を歌って連帯を深めることができた。

 「日本が原発を動かすことで韓国の原発が動き、事故を起こせば日本も被害を受ける。だからこそ今、連帯していくことが重要」の言葉が深く心に残った。憲法改悪、戦争国家づくり、原発推進―この安倍政権を倒さなければ日本、東アジアの平和は守れないと実感した日韓連帯ツアーだった。ともに闘おう!

(ZENKO関電前プロジェクト・秋野恭子)



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