2018年06月01日 1528号

【今こそ対話で東アジアに平和を/日韓連帯スピーキングツアー始まる/平和は自らの力でつくるもの】

 韓国から米軍THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備に反対する市民を招き、日韓の連帯で東アジアに平和を築こうと呼びかけるスピーキングツアーが、5月20日の東京集会を皮切りに全国5会場で繰り広げられている。主催したZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は「安倍打倒こそ韓国の闘いとつながる道」と力を込める。

 東京集会では、THAAD配備が強行されている星州(ソンジュ)郡に隣接する金泉(キムチョン)市の市民対策委員会企画チーム長、キム・ジョンヒさんが50分間にわたり現地の闘いを報告(要旨別掲)。「他人の努力による平和ではなく、自分たちの力で平和をつくっていきましょう」。ジョンヒさんの訴えに大きな共感の拍手が送られた。

 米空軍特殊作戦機CV22オスプレイの正式配備が発表された横田基地の“今“を伝えたのは、第9次横田基地公害訴訟原告団の福本道夫団長。自身が撮影した映像を交え、「安保条約・地位協定に基づき日米合同委員会が設けられているが、その合意事項(『市街地の上、学校や病院の上を飛ばない』『固定翼モードからヘリモードへの転換は基地内上空で行う』など)はことごとく守られていない。日本政府も米軍に合意を守らせる努力を全くしていない」と告発した。

 都内在住の在日二世、徐玉連(ソオンリョン)さんの発言がひときわ参加者の心に響く。「キャンドル集会のとき韓国にいた。南大門(ナムデムン)のみやげ物店の人が『4時で閉めて集会に行くから、何を買うか早く決めて』。びっくりした。『この国は自分の国。国の命運は私たち一人ひとりに責任がある。金儲けはいつでもできる』とも。韓国の民主主義は血を流した中で手にした民主主義なんです」と話し、「安倍さんには政治家の素質も資質もない。南北の分断はたどっていくと植民地支配。『私たちにも責任がある。一つになるよう私たちも応援する』と言って初めて政治家の言葉になる」と戒めた。

 各地域から9条改憲NO・安倍打倒の取り組み報告が、ZENKOとともに活動する有賀精一日野市議・青島まさはる横浜市議選予定候補・土屋のりこ足立区議から連帯アピールが、続く。創意をこらした激励グッズの贈呈にジョンヒさんは「日本に来て多くの方からたくさんの力をもらった」と謝意を表し、「ろうそくとろうそくの連帯 ともに平和」と記された旗をZENKOメンバーに手渡した。



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