2018年06月08日 1529号

【ZENKOスピーキングツアーが成功 全国で日韓市民連帯 対話こそ平和への道】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が昨年末から続けてきた日韓民衆連帯行動、スピーキングツアーのまとめとなる集会が、5月27日、大阪で開催された。会場には300人が詰めかけ、「米朝会談実現」「ともに平和を」と声をあげた。

 米軍THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)基地建設が強行されている星州(ソンジュ)郡ソソンリからカン・ヒョンウクさん、イム・スンブンさん、隣接する金泉(キムチョン)市のキム・ジョンヒさんが参加し、闘いにかける思いを語った。

 韓国の新興宗教「円仏教」のカンさんは「サードは東アジアの新冷戦時代の政治的兵器」だと指摘。「闘いの始まりも、終わりも連帯あるのみ、ともに平和の道を」と訴えた(3面要旨掲載)。村の女性会長でもあるイムさんは「鉄パイプを袖に通し、網をかぶって警察に対抗した。死ぬ気で闘った。これからも闘い抜く」と決意を伝えた(同)。平和活動家であるキムさんは「命は奪われても良心は譲れない。サードは出ていけ、平和よ来い」と声を挙げた。

 キムさんの娘、中学3年になるミンソンさんも感想を述べた。「沖縄の海は美しかったが、そこに戦闘機。ジュゴンが人間によって死んでしまう。人間も同じ運命をたどるのでは。広島の原爆記念館、沖縄の平和の礎もみた。日米が戦争しなければ、犠牲者はでなかった。武器が似合う場所などどこにもない」

 連帯あいさつに服部良一元衆院議員も駆けつけ、Xバンドレーダー反対現地行動を訴え。韓国連帯ツアーと国内の連帯集会に同行したZENKOの西岡信之さんは「韓国でも平和のつくり方は同じだ。すべての武器を拒否すること。無防備宣言運動に通じるものだ。戸別訪問や街頭で話けかける活動で、ろうそく革命のように、いろんな人びとが運動に参加することにつながる」とまとめた。

 各地域からの3000万署名運動の報告は、それを実感させる。「靖国に参拝する自民党支持者が、約50筆署名を集めてくれた。安倍政権に逆風が吹いている」(滋賀)、「すべての命を大切にする教えが仏教。どのお寺も快く署名をしてくれた。聖徳太子の墓のある叡福寺では住職、職員、参拝者まで署名してくれた」(大阪・南河内)。

 ZENKOは、昨年12月、韓国の活動家を迎え「東アジアを戦場にするな」と沖縄、韓国を結ぶ平和・軍縮のスピーキングツアーを開催。今年は、「対話で東アジアに平和を」日韓市民共同声明千人賛同運動、5月訪韓連帯ツアー、そして今回、5会場で集会を開いた。冬季五輪共同参加、南北会談から米朝会談実現へと朝鮮半島情勢の劇的な進展と重なるものだった。

 「平和への道」を後戻りさせない日韓民衆の連帯した闘いが必要だ。6・10国会前行動、12日、米領事館前行動、すべてを束ねる7月28・29日ZENKOin大阪が呼びかけられ、参加者はデモ行進で「日韓連帯で平和を/安倍はやめろ」と市民に訴えた。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS