2018年06月08日 1529号

【強行採決 断固抗議 「働き方」法案 参院で必ず廃案に 命を奪う法律 つくってはならない】

 自公与党と維新は5月25日、衆院厚生労働委員会で「働き方改革」一括法案を強行採決した。

 強行採決直後の衆院議員面会所。共産党の高橋千鶴子議員が「悔しい。政務官や審議官が答弁しようと手を挙げているのに、与党の筆頭理事が『もう時間だ。答弁するな』と命令し、混乱の中であの結果に。でも、高プロ(高度プロフェッショナル=残業代ゼロ制度)では何も守れないことははっきりした」と報告する。国民民主党の山井(やまのい)和則議員も「命のかかった問題だから一歩も引くわけにはいかない。廃案にするまで断固闘い続ける」と表明した。

 傍聴した「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子さんは、過労自殺した夫の遺影を胸に「あのような答弁でよくも採決したな、と情けない。4年前に過労死防止法ができ、家族の会みんなでうれし涙にくれた4年後にまさかこんな悔し涙で迎えるとは。高プロで必ず過労死は増える。命を奪う法律は絶対つくってはならない」と訴える。

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 強行採決を許さない闘いは5月22日の日本労働弁護団主催「高プロ・裁量労働制拡大はいらない!日比谷野音集会」、22〜23日の家族の会官邸前座り込み、23・25日の雇用共同アクション議員会館前行動と連日展開され、与党が当初もくろんでいた23日の委員会採決を阻止した。

 労働弁護団の集会では、4月20日に北海道と沖縄を同時スタートし各地で街頭宣伝などを繰り広げてきた労働法制改悪阻止全国キャラバンの報告が行われ、集会後は「毎日毎晩残業させるな」「月100時間も残業させるな」「働いた分 給料払え」「労働時間で賃金払え」とコールしながら国会請願デモ。

 雇用共同アクションの行動では、NHK記者だった娘の未和さんを過労死で失った佐戸恵美子さんが「未和は生きていれば35歳。私は孫の面倒を見る普通のおばあちゃんでした。子どもに先立たれるのは自分の体をもぎ取られる以上の、世の中のあらゆる苦しみで一番の断末魔で、地獄の思い。この思いを、安倍・麻生・加藤大臣、採決なさろうとしている議員のみなさん、あなた方の娘・息子に置きかえてください」と声を振り絞った。

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