2018年06月15日 1530号

【沖縄辺野古 全国から、韓国から連帯 7月 大浦湾土砂投入阻止 闘い強め埋め立て承認撤回へ】

 7月にも名護・大浦湾への土砂投入強行かという緊迫した今、国内外から辺野古への連帯の動きが高まっている。

「その土砂ストップ!」

 辺野古の新基地建設の埋め立て土砂採取予定地の12府県18団体でつくる土砂搬出反対全国連絡協議会は5月27日、沖縄市で「その土砂ストップ!沖縄集会 命の海に基地はいらない」を開催。土砂搬出元とされる香川や山口、熊本、鹿児島などの8団体が地元での取り組みを報告した。県内外から約200人が「全国で連帯し、土砂投入を阻止しよう」「ふるさとの土砂を一粒たりとも戦争のために使わせない」と改めて新基地建設反対を訴え、沖縄県と搬出県が協力して辺野古埋め立て土砂を搬出させないことを求める決議文を採択した。

 28日には、同連絡協の約30人が辺野古キャンプ・シュワブゲート前を訪れてともに座り込み、「工事をやめろ」と声を上げた。また、石材の搬出拠点となっている本部町の本部港でも抗議した。

 29日、沖縄県へ要請。要請を受けた謝花喜一郎副知事は、県外からの土砂投入前に特定外来生物侵入調査を行う専門委員を増員する方針を明らかにし、他県にも協力依頼が必要と応じた。

県民投票と11月知事選

 5月23日、「辺野古」県民投票の会は、名護市辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票に向けた署名活動をスタートさせた。辺野古新基地の是非をめぐる県民の民意を明確に示し、翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事による埋め立て承認撤回の後押しをしたいとする。県民投票条例制定請求には県内有権者の50分の1の署名が必要で、7月23日まで2か月間署名活動が行われる。

 県民投票については新基地反対の市民、運動体でも賛否が分かれていたが、署名開始を機に、「失敗させてはならない」と社民党県連や社大党、共産党県委員会など県政与党は協力を表明した。

 11月知事選に向け、県民の反基地の闘いを分裂させてはならない。安倍政権が「県政奪還」へなりふり構わぬ動きを強めているからだ。5月19日、来沖した菅義偉官房長官は自民党県連との会合で「県政奪還」へ態勢づくりを確認した。執拗にオール沖縄℃繿フ化を策動する。

 これに対して、翁長知事再選を目指し、社民党・共産党や労働組合などでつくる「調整会議」が4月に発足。県政与党の会派おきなわも5月27日、「保守中道」の市町村議員や首長、県内企業などで構成する「翁長雄志知事を支える政治経済懇話会」を立ち上げ、「調整会議」とも連携するという。

 すい臓がんの手術を終え、5月15日に公務に復帰した翁長知事。「一日一日をしっかりと公務に取り組む」と、辺野古土砂投入を目前に控え、埋め立て承認撤回のタイミングを計る。撤回を何としても支えなければならない。

辺野古でも日韓連帯

 5月24日、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)日韓連帯スピーキングツアーで、米軍サード(高高度防衛ミサイル)配備反対で闘う韓国・星州(ソンジュ)から、キム・ジョンヒさんと娘のミンソンさん、イム・スンブンさん、カン・ヒョンウクさんが到着。ZENKO沖縄とともに辺野古ゲート前テントを訪れ、連帯アピールを行った。

 カンさんは初めに「まずは、ここに来ることが遅くなったことをお詫びしたい」と断わり、言葉を続けた。「私はこちらへ来ながら沖縄の記事を見たが、日本政府は沖縄を犠牲にしたことが書かれていた。ろうそく革命で誕生した文在寅(ムンジェイン)政権も、私たち星州の人たちを犠牲にして米軍にへりくだろうとしている。しかし、今、朝鮮半島は春を迎えようとしている。文在寅政権はサードの配置について完全な配置ではなく、臨時の配置と言っている。アメリカのためにへりくだろうとしても、文政権が完全に配置できないのは、私たちの闘いがあってこそ。私たちは東アジアの平和のために、米軍の覇権が東アジアに及ばないように、米軍が出ていくように、みんなと連帯しこの闘いに勝っていきたい。韓国でも一生懸命闘う。平和に向けて一緒に闘っていきましょう。共に平和!」と力強く拳を上げ、激励した。

 星州から辺野古への贈り物として、星州の人たちが合言葉とする「共に平和」と書かれたバナーが手渡された。間もなく工事車両が来るとの報が入り、座り込み参加者はゲート前へ移動する。しばらくして、機動隊は座り込み市民を次々と排除した。様子を見た韓国ゲストらも星州の状況と重ね合わせ、「違法工事やめろ!」とシュプレヒコールで抗議した。

 夜の集会でカンさんは辺野古の闘いに触れ、「沖縄で最高の言葉を覚えた。『勝つための最高の方法はあきらめないこと』。あきらめずに最後まで闘う」との言葉を残した。未来のため、すべての基地がなくなるまで闘う思いは一つだ。さらに連帯を強めたい。

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 6月2日、毎月第1土曜の県民大行動では辺野古に約600人が結集。ゲートからの資材搬入を許さなかった。この闘いを強め、翁長知事の埋め立て承認撤回を支えて、土砂投入を止めよう。(A)





 
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