2018年06月15日 1530号

【原発を売るな 造るな 動かすな/中西会長の経団連会長就任に抗議/日立は英国に輸出するな】

 日立製作所は5月28日、英国ウェールズ・アングルシー島の「ウィルヴァ原発」新設計画について臨時取締役会を開き、資金負担をめぐる英政府との協議を継続する方針を確認した。中西宏明会長が5月3日、ロンドンに乗り込んでメイ首相と直談判し、総事業費3兆円のうち2兆円を英国側が融資する譲歩案を引き出したことを受けたものだ。その中西会長が5月31日、経団連会長に就任した。

 フクシマ事故の収束さえできていない日本が原発を輸出してはならない。原発は世界のどこにもつくるな。原発ビジネスのトップが経済界トップにすわっていいのか。「日立製作所による英ウィルヴァ原発輸出反対キャンペーン」は同日都内で、新会長を選出する経団連総会に向けて緊急抗議行動を繰り広げた。

 大手町の経団連会館前に並ぶ「日立は英国に原発を売るな」の横断幕、のぼり。キャンペーン世話人のii正明さんは「ここは“原発推進会館”になるのか。ウィルヴァ原発の運転開始予定は2027年。それまでに風力・水力・太陽光など再生可能エネルギーが普及し、至る所で原発はいらなくなる」と力説する。

 参加者から「原発を稼働することは人類と生物すべてを生存の危機にさらす。核は人類に対する罪だ」「安倍さんの“お友達”の中西さんが国を誤った方向に導くことに賛成できない」と発言が続いた。

 その後の院内集会には国会議員8人が参加。共産党の笠井亮衆院議員は、ほぼ黒塗りの日印原子力作業部会資料を示し、「秘密主義は原発問題で常套手段。相手国との信頼関係を損なうから、というが、国民との信頼関係はどうなるのか」と問いただした。

 キャンペーンは6月20日の日立株主総会でもアクションを起こす。

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