2018年06月22日 1531号

【1531号主張 今こそ東アジア平和確立の時 民衆連帯で戦争勢力追放だ】

米朝合意を歓迎する

 6月12日、米朝首脳会談が開かれ、共同声明文書が調印された。朝鮮戦争(1950年〜53年休戦)以来戦争状態が続いてきた朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と米国のトップが会談し合意がされたことは、東アジアの、世界の平和への巨大な前進である。

 共同声明は「トランプ大統領は朝鮮に安全保障を約束し、金正恩(キムジョンウン)委員長は朝鮮半島の完全な非核化へのゆるぎない固い決意を再確認した」とし、朝鮮戦争終結をめざす4・27板門店(パンムンジョム)宣言を再確認した。この米朝合意を歓迎し支持する。昨年秋以来、ののしり合い核戦争の危機をあおり続けた2人が握手し、和平への道を進んだ。これは世界の平和を求める人びとの勝利である。

 朝鮮の平昌(ピョンチャン)オリンピック参加に始まり、南北首脳会談が持たれ、ここに至った。米朝に根強く存在する軍拡勢力を抑えて共同声明までもたらしたのは、決してトランプや金正恩の善意ではない。米朝韓の平和への道を進めたのは、まず、文在寅(ムンジェイン)大統領を生み出した韓国民衆のろうそく革命の力であった。また、米国でトランプを追い詰め共和党議員を落選させ続けている米国民衆の力であった。そして、核兵器禁止を望む全世界の人びとの意思であった。

平和への歴史的転換点

 いま世界は、グローバル資本主義の戦争勢力を抑え込み、平和を作り出す時に来た。まさに歴史的転換点に立っているのである。

 この転換を確固たるものにするために、東アジア民衆は連帯して戦争勢力を追放しなければならない。存在根拠のない在韓米軍は撤退させなければならない。配備の意味がない韓国星州(ソンジュ)のTHAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)は撤去されなければならない。在日米軍は撤退させなければならない。辺野古新基地建設、南西諸島への自衛隊配備、ミサイル基地建設を阻止しなければならない。アジアのすべての軍事基地を撤去させ、合同軍事演習をすべてやめさせなければならない。

 平和を求める東アジア民衆の国際連帯で戦争勢力を追放する時だ。この民衆の闘う力が緊張激化と戦争への巻き返しを許さず、東アジアの平和をゆるぎないものとする。

安倍打倒の意義は重大

 この時、安倍内閣打倒、改憲阻止闘争の意義は重大である。安倍首相は会談直前まで「圧力強化を」と言い続け、東アジア平和への進展を妨害してきた。安倍の改憲戦争路線にとって、米朝韓の和平合意はまったく不本意だからだ。文在寅政権の下でサード配備を強行する勢力、あるいは米国の巨大な軍産複合体―こうした戦争勢力と闘う各国市民と連帯し、この日本で安倍打倒、改憲阻止を実現しなければならない。これは世界史の転換点における日本民衆の責務である。

 6月7日、安倍9条改憲NO!3000万署名が1350万筆提出された。10日、雨にもかかわらず国会前に2万7千人が集まった。新潟県知事選は惜敗したものの、東京都中野区長選では市民・野党共闘候補が勝利した。安倍内閣打倒、改憲阻止の闘いを徹底して広げよう。東アジア民衆とともに戦争勢力との闘いに勝利し、平和への道をおし進めよう。

  (6月12日)
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