2018年06月29日 1532号

【1532号主張 社会を壊す悪法許すな 歴史が変わる今、安倍打倒を】

強行採決は許さない

 6月20日会期末を迎え、通常国会が緊迫を深めている。安倍政権は、森友・加計疑獄の究明を徹底して拒み、過労死を促進する「働き方」法案と賭博合法化のカジノ法案を強行採決し、32日間もの会期延長で成立を狙っている。

 「働き方」法案の高度プロフェッショナル制度は、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す制度とされるが、導入を許せば必ず収入要件引き下げと適用職種拡大へと進む。立法の根拠とされる調査のでたらめも明らかになった。加藤厚労相が「労働者のニーズ」としたヒアリング調査は、2015年3月法案要綱が労働政策審議会に提出された時点ではゼロ、法案提出直前に1人だった。ニーズなどウソ、立法の根拠は失われた。労働時間規制の撤廃は、グローバル資本にのみ利益を与え労働者には死をもたらす。

 カジノ法案も「1%」の暴利のための法案だ。安倍は昨年2月、日米首脳会談で米カジノ企業トップ3と同席(17年6/10日経)。カジノ進出を狙うセガサミーホールディングス里見会長とは蜜月関係にある。「世界最高水準のカジノ規制」を掲げるが、石井国交相は規制する管理委員会の事務局にカジノ事業者を入れることを認めた。法案は事業者による客への貸し付けまで可能とする。規制できる根拠などない。多重債務者を拡大し、市民生活と社会のモラルがいっそう破壊される。

 命を奪い社会を壊す両法案強行採決を許してはならない。

行き詰まる改憲戦争路線

 国会「多数」と「安倍一強」で突き進んできた改憲・戦争路線だが、東アジアで切り開かれつつある平和への道≠ェ立ちはだかっている。
 6月12日、米朝首脳会談で署名された共同声明文書は、朝鮮半島の完全な非核化への展望を示した。トランプ大統領は米韓合同軍事演習中止を表明し、対話による問題解決プロセスが始まった。

 この歴史的転換で、安倍は世界から完全に孤立した。あわてて日朝首脳会談の設定に奔走するが、昨日まで「対話に意味なし」と言い立てていた安倍を誰が信じるのか。しかもこの期に及んで「北朝鮮に騙されない。(交渉を)拙速にはやらない。被害者をすべて帰すと言ったら(朝鮮に)行く」(6/14拉致被害者家族会との面会)と述べる。対話、交渉の扉を開く姿勢とは程遠く、これで拉致問題解決などできるはずがない。

地域の怒りで安倍倒す

 6月15日、安倍政権は「骨太方針」を閣議決定した。消費税増税、社会保障削減を進め、医療・介護の負担増と利用サービス抑制を推進する一方、大幅軍事費増をうたう。

 情勢は変わった。「朝鮮の脅威」を口実にしたイージス・アショア(陸上型ミサイル迎撃システム)配備や辺野古新基地建設、5兆2千億円の大軍事費は必要ない。国家予算を軍事ではなく保育・教育・医療・介護など民生に使う時代が訪れている。安倍では対話と平和外交を進めることも、貧困の解決もできない。

 この国の未来は、安倍を倒し、平和と民主主義に貫かれた根本的政策転換を実現するところから始まる。3000万署名を安倍打倒署名としてあらためて大きく位置付け、地域からの闘いで安倍政権を葬り去ろう。

  (6月18日)
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