2018年06月29日 1532号

【みるよむ(488) イラク平和テレビ局in Japan 2018年6月9・16日配信 戦争の種は残してはならない 日韓連帯で東アジアに平和を】

 2018年5月20〜27日、「今こそ対話で東アジアの平和を!ZENKO日韓連帯スピーキングツアー」が開催された。東京・大阪集会での韓国・星州(ソンジュ)のTHAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備に反対して闘っている市民の発言をお伝えする。

あきらめず闘う(6/9配信)

 6月9日配信の「THAAD反対!戦争の種は一つも残してはならない」は、5月20日東京集会でのキム・ジョンヒさん(THAAD配置反対金泉<キムチョン>市民対策委員会)の発言が中心だ。キム・ジョンヒさんは、ろうそく革命によって誕生した文在寅(ムンジェイン)政権がTHAAD配備を継続していることを「THAADには『平和』というものはない」と批判する。

 韓国政府は、人口わずか120人ほどの村に最大時1万2千人の機動隊投入という暴力でTHAADを配備した。ソソンリの93歳のおばあさんは日本の植民地時代の「巡査」(日本人の警察官)を思い出し「巡査が怖いから家を出ることができなかった」と言った。住民をこんなつらい目に遭わせている政府のやり口にキム・ジョンヒさんは涙を流しながら怒りを語る。

 だが、厳しい状況でも、「私たちはあきらめずに闘っている」「戦争の種は一つも残してはいけない」「絶対に平和憲法を変えてはならない」と訴える。

国民が平和実現(6/16配信)

 6月16日配信の「日韓市民の連帯で東アジアに平和を!―5・27日韓連帯スピーキングツアー大阪集会より―」では、カン・ヒョンウクさん(円仏教聖地守護非常対策委員)が映像を交え、THAADは朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の長距離ミサイルに対応するものではなく、日米韓の軍事同盟を強化し、中国やロシアとの軍事対立で有利になることをめざすものである、と説明する。

 イム・スンブンさん(THAAD撤回星州住民対策委員会副委員長)は、静かな村に突然韓国政府がTHAAD配備を強行した実態を報告する。大きな音を立て8千人もの警察隊が乗り込んできて、「戦争はダメだ」と抵抗する数十人の住民を負傷させた。警察の暴力が何回も繰り返され、住民は日常生活が破壊され、不安と恐怖で暮らしている。

 キム・ジョンヒさんはTHAAD配備基地近隣の金泉の住人である。金泉市民はTHAAD撤回の集会を毎日1時間ずつ開き、ろうそくデモを展開している。

 キム・ジョンヒさんは「撤回させるために、THAADよ出て行け、平和よ来い、と一生懸命闘っています。必ず勝利すると確信しています」と語る。

 カン・ヒョンウクさんは「この平和の情勢は国民が作った。国民が一番強い力を持っている。私たち日韓市民のこの出会いと連帯が東アジアの平和において一番強い力」と訴える。

 6月12日に米朝首脳会談が実現した。闘いこそが情勢を変革することを確信させる映像である。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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