2018年07月20日 1535号

【1535号主張 韓国、沖縄と連帯し平和を築く 2018ZENKOin大阪へ】

ポンペオ訪朝

 7月6〜7日、ポンペオ米国務長官が訪朝した。今回の訪朝は、6月12日の米朝首脳会談で合意した朝鮮半島の非核化と、朝鮮戦争以来の戦争状態の終結を具体化する第一歩となるものだ。非核化検証のための作業部会が設置され、トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)国務委員長が双方に宛てた親書が交わされた。

 韓国と朝鮮の間でも、4・27板門店(パンムンジョム)宣言の履行に向けて、具体的な作業が進みつつある。6月26日に鉄道、28日に道路、7月4日には山林分野での協力に向けた双方の代表者会合が開催された。

 米朝対話の進展、朝鮮半島の緊張緩和の流れに逆行しているのが安倍政権だ。安倍首相は、沖縄辺野古新基地建設へ8月17日土砂投入を強行しようとしている。7月4日の自民党会合では、「憲法9条改正」の必要性について改めて言及した。朝鮮との対話を拒否し軍拡、改憲に走る安倍は世界で孤立している。

市民が平和の潮流つくる

 東アジアの平和・非核化への前進を切り開いてきたのは、平和と民主主義を求める市民の運動だ。南北首脳会談に踏み切った韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は、ろうそく革命が誕生させた。韓国世論は南北首脳会談、米朝首脳会談を支持している。星州(ソンジュ)ソソンリでは、東アジアに軍事的緊張をもたらすTHAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備に反対する民衆の闘いが続いている。7月7日、現地でサード撤回平和会議主催の「第8回ソソンリ汎国民平和行動」が展開された。米国でも、11月の中間選挙を控え、トランプと共和党を窮地に立たせている市民の世論と運動がある。

 沖縄では新基地建設阻止へキャンプ・シュワブゲート前で連日座り込みが続く。7月7日、オール沖縄会議が開いた県民集会には2千人以上が参加した。翁長(おなが)知事はメッセージを寄せ、安倍政権による新基地建設は「民意を無視したもので、到底容認できない」、前知事による埋め立て承認の撤回について「環境保全措置などで看過できない事態となれば、私は躊躇(ちゅうちょ)なく必ず撤回を決断する」と決意を表明した。8月11日には3万人以上の規模で県民大会が開催される。

 昨年国連で採択された核兵器禁止条約には59か国が調印し、戦争勢力による妨害にあいながらも各国で批准作業が進んでいる。軍縮・非核化を求める世界的な潮流をおしとどめることはできない。

命よりカジノの安倍倒せ

 西日本豪雨災害に対する安倍政権の対応に批判が高まっている。十数万人に避難勧告が出されるなど警戒が高まっていた最中に、安倍首相は「赤坂自民亭」なる内輪の宴会に参加(7月5日夜)。甚大な被害が明らかになってなお、災害対応よりもカジノ法案審議を優先させた。このような人命軽視の延長線上に、憲法9条改悪・戦争国家づくりがあるのである。

 7月28〜29日、東アジアの平和構築に向けた国際連帯方針を討議し決定する場として、ZENKOin大阪(第48回平和と民主主義をめざす全国交歓会)が開かれる。改憲反対3000万署名運動を柱に、安倍政権と闘う運動を合流させ、ZENKOin大阪を成功させよう。

  (7月10日)
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