2018年08月03日 1537号

【辺野古 翁長知事ついに承認撤回へ 基地いらない民意に全国で連帯 8・11県民大会、集中行動も】

違法な二重柵設置

 7月14日土曜の深夜11時。沖縄防衛局は、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事車両用ゲート前に新たな柵の設置工事を開始した。またしても人がいない夜中を狙った。沖縄防衛局は卑怯だ。

 8月17日開始予定の土砂投入1か月前、抗議行動が激しくなる週明け7月17日を前に市民の座り込み場所を奪う二重柵設置を強行した。

 柵は、高さ1bのオレンジ色と白色の「交通規制材」42個をゲート前に並べ、基地側に高さ4b、横幅1・7bの緑色の巨大フェンスを45bにわたって設置したもの。通行できる歩道幅は1bもない。「歩行者専用通路、立ち止まらず速やかに通行してください」の看板まで新たに出された。その狭い通路にガードマンが2b置きに立ち並んでいるのも異様な光景だ。座り込み時の長いす用にとゲート横に置いていた木材、コンクリートブロックは勝手に取り除かれ、「違法の物件 除去・保管」の公告が貼られていた。

 市民らが新基地反対の声を上げる座り込みまで規制するのは憲法の「表現の自由」を奪うものだ。また、道路法の占用許可基準(道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないもの)も満たさない違法な措置であり許されない。だが、二重柵設置工事後の17日朝も市民は狭い1bの空間の間に座り込みを続け、沖縄県警とにらみ合った。市民運動は、何も恐れずしたたかだ。


7・23の週に撤回表明へ

 ついにその日が来る。翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事が埋め立て承認を撤回する。7月19日、謝花喜一郎副知事は会見し、辺野古新基地建設のため前仲井真弘多(なかいまひろかず)知事が承認した埋め立て承認の撤回を7月23日の週に表明し、撤回に必要な手続きとして「聴聞」の開始を沖縄防衛局に通知することを明らかにした。

 7月17日に県は沖縄防衛局に即時工事停止を求める行政指導文書を発送し、即時に工事が中止されないと判断すれば撤回表明に踏み込む。指導文書では地盤強度を表す「N値」がゼロを示すマヨネーズのような軟弱地盤の存在が国の調査で見つかったデータを示し、「設計概要説明書に従って工事が進められるならば、護岸の倒壊等の危険性を否定することはできない」と指摘。「安全性を確認できないことを認識しながら、殊更(ことさら)にこのことを隠したまま着工して工事を強行してきた」など行政文書としては異例の厳しい文言で国の姿勢を追及し、工事の即時停止を求めた。

 「聴聞」は、行政機関が国民の権利・利益に影響を及ぼす行政行為を行う場合、利害関係者などに意見を聞く制度で、県は通知から2〜3週間を想定している。超軟弱地盤が見つかったことで埋め立て工事が計画通りにはできないことを突きつけた。

 しかし同日、辺野古では護岸開口部への砕石投下が続き、K4―N3―N5護岸がつながり、海の一部が包囲される事態となった。土砂投入はこの包囲された海域に行われる予定だ。遅すぎた撤回表明だが、知事の撤回が明らかになったことで工事は一時中断、再び国との法廷闘争が始まる。

土砂投入許さぬ県民大会

 「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は7月13日幹事会を開催し、県民大会の内容を確定した。名称は「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」とし、シンボルカラー統一色は青。青色の衣装やグッズを身に着けて参加してほしいと呼びかけた。大会は、那覇市の奥武山(おうのやま)陸上競技場をメイン会場とし、8月11日土曜日(休)午前10時開場、11時に開会を宣言し、1時間未満で終了する予定。体調を気遣い参加要請が明確にされていなかった翁長沖縄県知事に、10分から15分程度の演説を要請することも公表された。

 辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票の署名数は7月17日、法定数の2万3千筆を突破し、3万3千筆が集まったことが発表された。スーパー前での街頭署名運動も最終盤に入って精力的に取り組まれるようになり、勢いが変わった。

 7月23日の署名運動最終日には法定数を大きく突破し、その週の知事による埋め立て承認撤回表明から撤回を実現し、8月11日県民大会に大合流する道筋が鮮明になってきた。県民投票、聴聞・撤回、県民大会を大きく成功させるとともに、8月6〜10日と8月16〜18日の2波にわかれての辺野古ゲート前連続集中行動も「オール沖縄会議」で決定された。

 8月17日からの土砂投入を阻止し、名護市議選、知事選の秋期闘争に突き進む。新基地はいらないという沖縄県民の民意に連帯する闘いを改めて強化しよう。

     (7月21日・N)

 
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