2018年11月16日 1551号

【「君が代」不起立処分取消 大阪市人事委員会 公開審理開始 満席の傍聴で市教委課長、校長を追及】

 10月25日大阪市役所で、私の「君が代」不起立処分取消請求に関わる大阪市人事委員会第1回口頭公開審理が行われました。定員を超え入れない支援者もおり満席の傍聴者約40人の前で、弁護団が処分者側証人(処分担当の忍康彦課長、在職校の山本哲哉校長)を追及。「君が代」強制と不起立処分の不当性を明らかにすることができました。

議事録なし、メモも廃棄

 私は、私の処分決定にかかわる大阪市人事監察委員会に対して上申書を提出し、「君が代」起立・斉唱強制がいかに私の信念と良心を侵害する耐えがたいものであるか、この強制がいかに教育を荒廃させ生徒の人権を損ねているかを、訴えてきました。

 忍課長は、同委員会分限懲戒部会(2015年4月)で「上申書で、請求者が訴えていることはわかるから直接の意見陳述は必要ない。上申書の内容は処分の要否・量定の決定に影響しないと判断した」と証言。「『調教教育』などの請求者の主張の内容的な検討は、処分に関係ないのでしていない」など、思想・良心の自由を侵害する処分であることをあくまで否定。また、議事運営要綱の議事録作成を定めた規定について「知っていたが、『会議要旨(日時、場所、参加者、会議議題のみ)』でいいと思った。メモは取ったが廃棄した」と事実の隠ぺいで開き直りました。

 私の上申書について、人事監察委員会でも何の検討もなく処分が行われたことが改めて明らかになったのです。

 山本校長への尋問では、不起立の卒業式への影響として把握していることは、「生徒の何人かが不起立を見ていた(ように思う)」とする教頭の報告のみであること。また、「卒業生らに会った際に、卒業生らからは残念である旨を伝えられました」と自ら陳述書に記載しているにもかかわらず、「残念」という言葉を聞いたわけではなく、自分の受け止め≠セったことを認めざるを得ませんでした。

12・6本人尋問の傍聴を

 12月6日の第2回口頭公開審理は、私の証人尋問です。

 「天皇の御代(みよ)万歳」と臣民に歌わせ、教育勅語とともに天皇のために命を捨てろと教えた戦前教育の重要な柱「君が代」を生徒に強制する立場に立つことはできません。この思いをしっかり証言したい。また、教育を損なっているとの現場教員の訴えを教育委員会が「関係ない」と全く無視する―そんなことが許されるのかと主張し、国旗国歌条例と職員基本条例の廃止を訴えたいと思います。ぜひご支援、傍聴をお願いします。

(大阪市・「君が代」不起立被処分者・松田幹雄)

◆第2回口頭公開審理
12月6日(木)13時30分〜15時30分 大阪市役所人事委員会室

 
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