2019年04月05日 1570号

【やめろ!新たな土砂投入/ジュゴンを殺したのは誰だ/K8護岸工事でサンゴも危機に/首都圏大集会に450人】

 3月24日都内で「沖縄の声を聞け 止めろ!新たな土砂投入」首都圏大集会が開かれ、450人が結集。にぎわう池袋駅周辺をデモし、市民にアピールした。辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会が主催した。

 国の天然記念物でもある絶滅危惧種ジュゴンが今帰仁(なきじん)村の漁港に死体で漂着し、新たなK8護岸工事で大浦湾のサンゴ群も危機的状況だ。主催者は「玉城知事の1か月程度の工事中止と協議の要請に応じない政府の態度は民主主義否定、地方自治破壊」と断罪し、「埋め立て工事は自然環境と野生生物に大きな悪影響を与えつつある。ジュゴンやサンゴ、海草などの現状を見れば、防衛省が設置した環境監視等委員会が役割と責任を果たしていないことは明らか」と強く抗議した。

 沖縄現地の山城博治さんと電話中継が結ぶ。「辺野古浅瀬側の護岸からの埋め立てをさらに拡大する無謀きわまる工事強行に全県で怒りが湧きたっている。安和(あわ)から搬出する土砂の量を増やすためK8護岸工事を同時並行して進める。大浦湾に広がるサンゴ礁の50m手前で工事を止めれば影響はない、ジュゴンの死亡は工事とは何の関係もないとうそぶく。県民投票の結果も顧みることがない」と怒りを炸裂させた。

 工事を請け負う大成建設・大林組などゼネコン抗議行動や首相官邸前での連日スタンディングを続ける市民らの熱い訴えが続く。最後に、宮古島出身の女性がマイクを握った。「成田・下地島空港路線が開業する裏で、100台の軍事車両を搬入。辺野古と同じ軟弱地盤に燃料タンクができる。自衛隊の宿舎はホテルのよう。800人のミサイル部隊を常駐させる。住宅の200m先に弾薬庫と射撃訓練場、港には自衛隊の護衛艦が接岸。宮古島が南西諸島全体の司令部になるので完成させないことが大事だ。住民の反対で弾薬庫はまだ手をつけていない。辺野古と同様みんなで応援し、止めなくては」と、奄美・石垣・与那国を含む南西諸島自衛隊軍事要塞化の急速な動きに警鐘を乱打した。

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 新たな区域への土砂投入が始まった25日は、首相官邸前座り込みが終日闘われた。

 午前8時、行動開始。出勤する政府職員に向かって訴える。「安倍首相はじめ官邸にいるみなさん、辺野古・大浦湾には5800種もの多様な生物がすんでいる。ブルーグリーンの海を埋め立てて基地をつくるなどというばかげたことはやめてください」。8時半すぎ、沖縄防衛局が沖縄県に「まもなく土砂投入を始める」と通告したこと、辺野古の現場で一人が不当拘束されたことが伝えられた。

 参加者のリレースピーチでは「辺野古の海の写真チラシを若い人も含めて多くの人が受け取ってくれる。首都圏でも、あの埋め立てはおかしいということが徐々に浸透してきた」「私たちがぐずぐずしている間にジュゴンが死んでしまった。取り返しのつかないことがすでに起きている。これは私たちみんなの問題」「沖縄の人たちが本土の私たちに何か悪いことをしただろうか。今日まで沖縄は犠牲を強いられている。無関心は最大の敵。私たちこそ声を上げよう」などの発言が続いた。



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