2019年06月21日 1580号

【1580号主張 連帯深めたスピーキングツアー 参院選で改憲と戦争阻む】

沖縄・韓国民衆とともに

 日韓市民が連帯して軍拡を阻止し、東アジアに武器なき平和を作り出す。全国6会場の「ZENKOスピーキングツアー」集会参加者は闘う意思をともにした。

 辺野古で新基地反対運動を進める奥間政則さんは、奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島、与那国島と連なる琉球弧全体が軍事要塞化されつつある現状を伝え、闘いの強化を呼びかけた。同様に基地の島に変えられつつある済州(チェジュ)島の反基地運動家ノ・ミンギュさんは、海上抗議や座り込みなど不屈の闘いに連帯を訴えた。

 沖縄・韓国の軍事基地拡大は、日米韓の軍事一体化を強め戦争と海外派兵の拠点にすることを狙うものだ。日韓市民が連帯してグローバル資本の戦争政策を止めることを確認した意義は大きい。

追及から逃げ回る安倍

 安倍政権の改憲戦争路線は、国政を私物化し無法を重ね市民の命を危険にさらしている。

 総額6千億円以上を費やす陸上配備型ミサイル「イージスアショア」の候補地選定で、「配備ありき」の数値ねつ造が発覚。陸上自衛隊新屋(あらや)演習場(秋田市)を「適地」とした防衛省の調査で他の候補だった国有地9か所の数値が改ざんされていたのだ。

 辺野古の土砂投入のためのK8護岸では、政府が沖縄県への申請も許可もなく、船舶が接岸できるように護岸の構造を変更していることが確認された。6月4日沖縄・浦添市の中学校に、普天間基地所属の米軍CH53E輸送ヘリコプターがまたも部品を落下させた。生徒の足元30a前に落下し、一歩間違えば大惨事だ。県の飛行停止要請に、米軍は「人身に脅威を与えない」と謝罪すら拒否。安倍政権は飛行停止も求めず容認した。

 重大なのは、3月の予算案通過後、昨年は8回開催した予算委員会が1度も開かれていないことだ。予算委員会は予算に限らず命と暮らしにかかわる国政の重要事項を審議する。「老後2千万円」問題、消費増税、日米貿易交渉など審議すべき課題は山積している。参院選を控えて市民に投票の判断材料を与えず、安倍は都合の悪い事実も数字も隠ぺいして追及から逃げ回り、選挙乗り切りを図る。

 改憲と戦争へ暴走するために違法・無法の限りを尽くす安倍政権は倒すしかない。

アベ政治への対抗軸

 参院選32の1人区すべてで野党候補が一本化され、市民連合も29選挙区で推薦を決めた(6/7)。市民と野党の共闘で、9条改憲を阻止しアベ政治を終わらせる歴史的選挙としなければならない。

 自民党は参院選公約を発表した。執拗に「早期改憲」を明記し、辺野古新基地は「着実に進める」。なおも東アジアの平和に逆行する改憲戦争路線そのものだ。

 対する市民と野党共闘の共通政策は、改憲発議反対、辺野古新基地中止、東アジアの平和創出とともに、「防衛予算」を国民生活に振り向けること、保育・教育・雇用拡充、最低賃金1500円を打ち出した。アベ政治への対抗軸は明確だ。地域で、職場で、街頭で対話を重ねこの政策を広げよう。

 6月30日東京、大阪でMDS集会が開催される。国際連帯、沖縄連帯の力と民主主義的社会主義への展望をともにし、参院選に勝利して改憲を阻止しよう。

   (6月10日)
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