2019年06月21日 1580号

【女性差別の議員は今すぐ辞職!/ハラスメント政治を終わらせよう】

相次ぐ差別暴言

 丸山穂高衆院議員が「戦争で北方領土を取り返す」発言で議員辞職を求められている最中、今度は、自民党桜田義孝衆院議員がまたもや女性の権利を脅かす発言を行った。

 5月29日、自民党のパーティで「結婚しなくていいという女の人が増えている」「お子さんやお孫さんには、子どもを3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」と発言。桜田は「子どもを安心して産み育てやすい環境を作ることが重要だとの思いで発言した」と弁明したが、そのような「思い」は全く感じられない。

 桜田は、女性は結婚して子どもを産むものという固定観念に凝り固まっている。結婚するしない、産む産まないを決めるのは個人の権利という考え方は、彼の中にはないようだ。

 自民党の中には「桜田先生の気持ちはよくわかる」と弁護する議員もいる。言い方の問題と言わんばかりだ。自民党が全議員に配布したという「失言防止マニュアル」には「ジェンダー(性差)・LGBTについての個人的見解」は「言葉をコントロールすることが大切」と書かれているが、そもそも差別してはいけないという人権感覚のない者に議員の資格はない。

根深い女性差別

 「失言」や「誤解」ではすませられない、根深い女性差別がある。問題の丸山は、「戦争」発言の後に「女のいる店に行きたい」「女を買いたい」とひわいな発言を繰り返した。これを「酒癖」でかたづけることはできない。彼はこれまで、「慰安婦」問題についても差別発言を繰り返してきた。「韓国は世界中にうそをばらまいてきた。危ないのは慰安婦の話と南京虐殺の話ですよ」(2017年4月ネットTV『報道特注』)。国連の拷問禁止委員会の勧告に対して「『慰安婦』は拷問ではないので拷問委員会で扱うのはおかしい」と国会で発言している(17年5月)。

 歴史認識の欠如や女性蔑視はひとり丸山だけではない。所属していた日本維新の会につながる。「戦争中は『慰安婦』は必要だった」と暴言を吐いた橋下徹、「慰安婦」をイメージした少女像の設置に抗議してサンフランシスコ市と大阪市の姉妹都市提携を取りやめた吉村洋文。

 また、桜田の考えは、同性愛者は「生産性がない」と述べた杉田水脈(みお)衆院議員の考えと共通するものがある。杉田は映画『主戦場』の中で、「『慰安婦』は性奴隷ではない」「サンフランシスコの少女像のせいで現地の日本人がいじめられた」と述べ、慰安婦問題での軍の責任を否定し、「慰安婦」にさせられた女性の尊厳を踏みにじった。

たたかいは始まっている

 杉田は、「慰安婦」の研究をする学者を、「ねつ造、国益に反する研究をしている反日学者に科研費(科学研究費補助金)を与えるのはおかしい」と誹謗中傷した。これに対し、4人の学者が「男女平等を推進すべき国会議員の立場に逆行する」として「国会議員の科研費介入とフェミニズムバッシングを許さない裁判」を起こしてたたかっている。裁判の支援とともに、桜田、杉田を許している安倍政権の責任も追及していくことが必要だ。

 6月21日は、原告の一人である大阪府立大学名誉教授伊田久美子さんが、「アベ・維新のハラスメント政治を終わらせよう―私たちはあきらめない」と題したつどい(主催―おんな・こどもをなめんなよ!の会)で講演をおこなう。多くの人が参加してほしい。

(OPEN〈平和と平等を拓く女たちの絆〉・山本よし子)

■6月21日(金) 18:00開場 ドーンセンター(地下鉄・京阪天満橋駅)
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