2019年06月21日 1580号

【止めよう「本土」からの土砂搬出/防衛省・環境省交渉&署名提出/辺野古埋め立ては生物多様性条約違反】

 辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会(土砂全協)は6月10日衆院第2議員会館で、西日本からの土砂搬出計画撤回と辺野古の土砂投入中止を求める衆参両院議長宛て署名61万139筆を提出するとともに、防衛省・環境省と交渉をもった。

 防衛省には、埋め立て用土砂の陸揚げ場所としてK(傾斜堤)9護岸に加え、施工中のK8護岸も利用するのか、ただした。K9護岸での陸揚げは環境保全図書の変更であり、知事の承認を必要とするにもかかわらず、さらにK8護岸にまで陸揚げを拡大することは許されない。

 「環境保全図書には海上搬入の実施が記載されており、知事の変更承認が必要とは考えていない」と言い逃れる防衛省に対し、土砂全協顧問の北上田毅さんは「環境保全図書等では、大浦湾の中仕切岸壁A・同Bに運搬船を横付けして土砂を陸揚げすると明記している。外周護岸のK9、K8から陸揚げするとは一切書かれていない」と追及。防衛省は「陸揚げ場所は限定されていない。K8護岸からの搬入に問題はない。設計概要に記載された方法に従い工事している」と開き直った。

 今年5月、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学・政策プラットフォーム」(IPBES)総会は「世界約800万種と推定される動植物のうち約100万種が絶滅の危機にある」との報告書を発表した。土砂全協顧問の湯浅一郎さんは環境省に対して、「IPBES報告や生物多様性条約に照らし、辺野古・大浦湾という生物多様性に富む海を潰してしまう行為をどう見るのか」と迫った。環境省担当者は「生物多様性が危機にあることを、一行政官として胸に刻みたい」と答えるにとどまった。

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