2019年06月28日 1581号

【原発賠償京都訴訟控訴審第3回期日 傍聴席は満杯、原告全員が集会発言】

 6月13日は原発賠償京都訴訟の控訴審第3回期日。開廷の2時間前、原告と支援者約20人が大阪高裁近くの淀屋橋に集まった。大阪では初めての街頭宣伝行動だ。原告が交代でマイクでアピールしながら、京都訴訟を紹介するカラーチラシを配布した。

 その1時間後、原告が入廷行進して裁判所の東門に到着すると、集まっていた支援者から大きな声援と拍手が湧き起こった。支援する会事務局によると、傍聴抽選券を得るため並んだのは115人、73人が傍聴席に入った。出廷した原告は19人。

 法廷では、原告(控訴人)側代理人が(1)国の控訴理由書(結果回避可能性)に対する反論(2)LNTモデル(リスクは被ばく線量に直線的比例)は科学的に実証されたものとは言えないとした京都地裁判決に対する反論(3)国連における日本政府の帰還政策への懸念について、という3つの準備書面についてプレゼンテーションをした。被告(被控訴人)側は、今回はこの場では何も言わなかった。

 報告集会には100人を超える原告・弁護士・支援者が参加、立ち見の人も出た。

 弁護団の田辺保雄事務局長は進行協議で裁判長から「そろそろ最終準備書面を書いてはどうか」と水を向けられたと報告したうえで、「証人の証言を裁判官にも聞いてもらいたいと思っている。あと1年はかかると思う」と語った。

 報告集会には原告13人が参加。全員が発言した。「時間が経てば経つほど良くなることも悪化していくこともある。私たちの良心をごまかさずに闘う必要があると改めて思った」「法廷で弁護士さんのプレゼンを聞いてすっきりし、この報告集会で皆さんの話を聞いて、さらにすっきりした」「入廷行進で裁判所に入った時、たくさんの人が歓声をあげたり拍手で迎えてくれ、感動し勇気づけられた。原告になって良かったと思うし、頑張って勝利したい」などなど。

 原告全員が登壇して話をするのが今や京都訴訟の特徴の一つになっている。「やはり、原告の話に感動した」という感想が多く聞かれた。

 最後に、原告がそれぞれ決意や支援の言葉を手書きしたメッセージカードが参加者に配られた。

 次回期日は9月10日(14時30分開廷)。

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