2022年06月24日 1728号

【1728号主張/2022参院選で改憲・戦争阻止 命守る地域の運動の力で】

戦争準備を打ち破る

 6月22日の参院選公示を前に選挙戦が動き出している。投票日は7月10日だ。

 改憲勢力は、ロシアのウクライナ侵略を憲法9条破壊への千載一遇のチャンスと捉える。軍事費倍増、敵基地・中枢攻撃能力保有を主張し、大宣伝している。

 ロシアへの経済制裁による市民生活の混乱は、すでに生活必需品値上げによって始まっている。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は「家計は値上げを許容している」と発言したが、批判の前に撤回に追い込まれた。黒田発言は、敵を倒すため市民は窮乏に耐えよと求めるもので、大戦中の「欲しがりません勝つまでは」の再来だ。

 政治、経済はじめ土地規制法、侮辱罪厳罰化など市民生活のあらゆる領域が戦争準備に飲み込まれつつある。参院選は、ウクライナ戦争に名を借りた準戦時体制を打ち破る闘いとなる。

住民投票署名成功の力で

 大阪府民の62日間にわたったカジノ住民投票条例制定直接請求署名運動は、法定数を大きく上回る20万筆超を集め成功した。

 大阪維新の会が大阪府市で実権を握って12年。維新支配は大阪の隅々に及び、新自由主義政策の下で公共サービス・府民生活は徹底的に破壊された。メディアは維新翼賛となり、維新支配への不満はあっても「何をしても無駄」というあきらめが広がっていた。

 住民投票署名の成功はこうしたムードに風穴を開けた。街頭で、戸別訪問で、動き出した市民と沈黙を強いられていた市民が出会い対話した。維新政治への不満を多くの市民が改めて自覚し、署名運動は怒りを表現する場となった。閉塞感に覆われた地域でも闘えば変えられるとの自信を行動した市民は手にした。

 市民は維新支配にノーの声を上げるだけでなく、直接請求権を使って対案を提示する。地域に民主主義の基盤を作る。これがもたらす意味を、維新は思い知ることになるだろう。

共闘は闘いでこそ

 昨年の衆院選ではほとんどの選挙区で成立した野党共闘は、今参院選では12選挙区にとどまっている。

 野党共闘が連合らの妨害で切り崩されたのは政党の数合わせ以上になっていなかったからだ。基地反対の闘いがある沖縄、原発反対の闘いがある福島はじめ東北の多くの県で共闘が成立した。強固な建物にしっかりした土台が必要なように、権力に切り崩されない強固な市民と野党の共闘には闘いという土台が必要だ。

 MDSは、最後まで市民と野党の共闘を求め、共闘に至らなかった選挙区では共産党候補を支持する。比例代表では、さまざまな運動で連携してきた福島みずほ予定候補(社民党)を支持する。カジノ住民投票成功の力をさらに広げ、市民の総結集で参院選を改憲阻止へ闘う。

 (6月12日)
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