2022年12月09日 1751号

【市民がマイナ保険証で請願 滋賀県大津市、豊郷町】

 11月22日、滋賀県大津市議会へ「健康保険証の廃止とマイナ保険証義務化の実施に慎重な対応を求める意見書を提出するよう求める請願」を提出しました。同日、滋賀県豊郷(とよさと)町議会へも、ZENKO滋賀の一員である内藤寿美子さんが同趣旨の請願を提出。

 政府の「マイナ保険証」義務化発表以降、自治体議会でも議論し問題のあることを広く認識してもらおうと提出に至りました。

 請願趣旨は、「保険証廃止とマイナ保険証への一本化は、マイナンバーカード取得が任意とする番号法や保険証の交付義務を定めた健康保険法に明らかに違反するのみならず、プライバシー権や思想・良心の自由など憲法違反の疑いが極めて強い」と指摘し、「命と健康に関わる医療を人質に取って、マイナ保険証に切替えるか、医療を受ける権利を諦めるかの選択を強いるようなことは到底許されない。保険証で安心して受診できる制度を守るべき」と訴えるもの。

全会派に要請

 大津市議会での全会派要請(11/15、11/22)では、自民党や公明党会派は、「推進の立場なので」「国は保険診療を受けられるようにすると言っているので大丈夫」と請願に反対を表明。別の議会最大会派である保守会派は「いろいろな立場があり紹介できない。賛否はこれから検討する」。国民民主系会派も同様の対応でした。現時点で請願への賛成は共産党とひとつの一人会派となっています。

 私たちが要請して初めて、「マイナ保険証の仕組み自体もよくわからないので勉強する」という議員や、対応について党本部に確認する会派もあり、賛否表明以前に、そもそもマイナ保険証への理解が進んでいない実態がわかりました。これまでの請願でも感じてきたことですが、国政の課題を自治体の課題と切り離し、理解しようとしない議員のなんと多いことか。市民は、市政だけでなく国政の受益者であり被害者です。国政の課題も自治体の課題としてとらえる議会にする必要性を痛感しています。

声上げ歯止めを

 豊郷町では、今後、紹介議員以外の全議員に要請する予定です。請願者の内藤さんは「議員はマイナ保険証の内容をわかっていないと思う。問題があることを知らせたい。今の政権の言うことを鵜呑みにせずちゃんとした検証をしないと大変なことになる。少しでも声を上げて歯止めをかけたい」と意欲を語っています。

 採決は、両議会とも12月中下旬になりますが、採択されるよう取り組みを強めていきます。

(平和と市民自治のまち大津をともにつくる会代表・中川てつや)

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