2003年01月31日発行773号

【アフガン難民への新たな迫害】

弁護士 空野 佳弘さん

写真:顔写真

 日本に庇護を求めてやってきたアフガンその他の国々の難民は、日本政府の人権侵害に大変苦しんでいる。難民は命からがら自国から脱出するので、偽造パスポートや密入国という手段をとらざるをえない場合もある。また正規に入国しても在留期限をオーバーしてしまい、刑事摘発を受けることが少なくない。広島で刑事裁判を受けたアブドゥル・アジズさんは「日本に来たことが人生最大の間違いだった」と言っている。

 入管法では、在留資格のない外国人はいつでも収容でき、いつ仮放免するかは入管当局の自由裁量とされる。長期収容は人間の自由を奪うものであり、それによって自殺未遂にまで追いつめられる難民もいる。こうした非人道的な措置は、難民条約に違反する。

 そもそも日本に来た難民の多くは言葉が分からず、日本の難民制度のことも知らない。母国語の文字が書けない人もいる。難民調査官はほとんど入管職員が兼任しているが、取り締まり的発想が抜けず、難民保護の仕事をしているという自覚が感じられない。

 日本が受け入れた難民の数はこの二十年間でわずか二百八十四人で、先進諸国が年間数千人から数万人を受け入れているのに比べ、あまりに貧弱だ。

こうした現状は、日本による難民に対する新たな迫害といえるものだ。

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